マンションの売却編シリーズでその7の続きです。
前回のブログはこちら
→ http://ameblo.jp/haruboo0/entry-11211799769.html
その7で書いたように、売れ残り感がでないで成約にこぎつけるためには売り出し
から1月程度での決着を目指さないといけません。
不動産の売買は多くなるシーズンがあって、年度の後半かつ年末年始を除いた
シーズンのほうが探している人は増えます。10月とかに売却を頼みにいくと
11月決着しないと12月は見込み客が激減しますよーと仲介屋さんに言われますが、
これは実際そうです。(師走やお正月にせっせと家探しをする人は少ない)
一般に年度末に向けては成約しやすいのですが、特に短期決戦を要する時期が
あるので要注意ではあります。
第7回でひかれているレポートによると最初に売り出されてから成約に至るまでの
”平均的”な下落率は10日ごとに1%です。もちろん一気に値下げして売り
切っちゃう売主もいますし、ずーっと売り出し価格で耐えている売主もいますので
その全体の平均です。
じゃーのんびりやるから、10%くらい値段を高くつけすぎても、あわよくば
お客が買ってくれれば得できるから、急いでないのでこれでいいやというのも実は
あんまり正しくありません。
売り出したばかりで、一度も価格改定をしていない部屋Aと、2月前に
売り出されていて、”新価格”マークなんかがついていて、既に5%くらい値引き
されている部屋Bをネット上で見た印象は、もしまったく同条件・同価格であった
としても全くことなります。
ーー 後者を見たネット検索者の印象は、これ前回より***万安くなっているな。
売れ残っているようだったら、価格交渉にも応じてくれそうだし見に行ってみるか
です。本気で探している人なら値下げ幅も見ているかもしれない。
(この意味あいで、一般媒介でむやみやたら、たくさんの会社に依頼するのも不可。
いかにも急いで売却したがっているなと焦りが感じられて逆効果です。
Yahoo不動産でたまに同価格、同面積の部屋がずらーっと。。。ね。
せいぜい2-3社までに絞るべきです)
中古物件を探す人がネット検索もしないような今風にいうと”情弱”な方ばかり
だとはあんまり期待できませんから、相場観のない人が偶然だまされて買ってくれる
かな~という期待で最初を高くスタートするのは、自分の部屋に売れ残り感をだす
だけなのでまぁやめておいたほうが無難です。
逆に高く値段をつけすぎると、そもそも内覧に全くやってきませんから失敗です。
コンスタントに内覧のないような値段付けをした仲介屋は能力がないので、値引き
要求とかされても、急いでないなら3月まって媒介契約を切ったほうが吉です。
新規に価格を設定しなおせます(値引きという表記なしに売りなおせます)。
買い手がいきなり10%引きといってこちらが了承をだせば即決できる程度の
価格からスタートしていないと、その方はほかの部屋を見に行くだけで、そもそも
自分の売りたい部屋に照会がかからない。
今の”正札”のまま価格改定はしないでも、ある程度次々に見込み客がやってきて、
その方との個別交渉の範囲で、ネット上の数字は一度も変更することなく成約に
いたる線が”ねらい目”になるわけです。
一方、その7のカンテイ資料にある通り、1月未満に成約したような短期でも
売り出し価格通りで成約する割合は30%未満しかありませんから、
最終的に成約させたい価格通りに売り出してしまうとその値段は手にすることは
困難です。
買うほうの気持ちになれば、値切ってやったぜ感が両者の価格交渉には必要
ですから、初めから本気の買主に交渉の余地を与える分だけ”少しだけ”値段は
高めに売り出す必要があります。
これらを総合すると、もっとも大事なのは”最初”の売り出し価格で、
”成約価格相場”よりもかすかに高め程度で、早期に成約が想定される妥当な
成約価格の+5%程度の値札を”最初”につけないといけないことになります。
このストライクゾーンは結構狭くて、低めにはずすと平均以下でしか成約
しないですし、高めにはずしても、時間がかかるだけで、値引きを繰り返して
いざ成約してみたら平均以下ということになりがちです。
仲介業者のつける売り出しの提案価格(査定価格)は、仲介業者にとっての
思惑がかなり入っていて、必ずしも売主にとって妥当な金額であるとは限りません。
とくに、選任媒介をとるかわりに、うちならこの価格で売ってみせましょう的な
割高すぎる査定価格に注意しましょう。
自分で自分のマンションに値段をつけるというのは、なかなか難しいです。
マンション全体の平均価格に対して、開口部が南向きかどうか、高層か低層か、
広めか狭めかで微妙に補正をかけないといけないのですが、この話はまた次回以降。
新築に近いほど、自分がいくらで買って何年しか住んでいないからという心理的な
バイアスがかかって、買主からみて相場感のある値段つけが自分ではしにくいです
からそのあたりも。
その9へ続く: 中古”相場”の決まりかたについてです。
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