本作品においては、登場人物の言動に、「共依存」的な要素がしばしば見受けられます。このことが本作品に『闇』的な要素を与え、そして奥深さを醸し出す一つの要素なのかなと考えます。

(6巻(9月6日発売)表紙)


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今回は「特別編その5」の第3回目として、「共依存」とは何ぞや?ってことについてちょこっとお示しした上で、石原紫の共依存的な言動について説明したいと思います。

あと、今回の投稿は心理学的な話になってしまいますが、私は精神科医でも臨床心理士とかでもありません。仕事の都合でこの手のことについて学ばざるを得ない機会があったため、若干の知識はありますが、素人の範疇を出るものではありません。あくまで参考程度の話ということでご承知おき下さいm(_ _)m


今回の投稿もあんまり面白くないと思います(いつもそうじゃん?と言われればその通りなんですが)。あらかじめお詫びします、ごめんなさい🙏


「共依存」とは?

誤解を恐れずザックリと言ってしまうと、自分の心の安定のために他人を必要としなきゃいけない状態のことです。

(共依存とは何ぞや?ってことについて、例を踏まえた説明については、以前の投稿をご覧になって下さい。アメブロの文字制限に引っかかってしまうもので。面倒臭くてごめんなさい。リンク先→その1、その2)

「共依存」の人間関係ってのをザックリと言うと、人との関係の中で過度にお世話したりお世話されてみたり、力ずくで人間関係をコントロールしようとしたりあるいはそれを受け入れたりと、不自然で側から見ると居心地悪そうな人間関係になってしまってるのが「共依存」のかたちでもあるのかなと思います。

言い方を変えると、「共依存」とは、目先の安逸さ、目先の人間関係の安定のために、お互いの成長を互いに妨げてしまっているような関係とも言えるのかもしれません。

「一緒にいても成長しない人間関係」って言い方もできるのでしょう。


石原紫の共依存的な言動について

作中における石原紫の言動を見ていると、共依存的な性向の影が見受けられます。

最初に石原紫の性格の特徴について述べ、次に作中における石原紫の恋愛の特徴について考察した上で、「共依存」という観点から彼女の恋愛観について考察してみたいと思います。

石原紫の性格の特徴について

①基本的に自分自身の考えが希薄である

石原紫の言動の特徴から垣間見える彼女の性格の特徴として、基本的に自分自身の考えが希薄である、という点が挙げれるのではないかと考えられます。

ひとつの例として、中学時代の藤岡先輩との関係が挙げられます。中学時代、石原紫は恋愛に関し、特に相手に求める基準は持っていませんでした。自分に好意を抱いた相手をほぼ自動的に拒絶するというのが石原紫のスタンスでした(それは彼女が男性に対して何らかの理想を持っていて、それに合致しないから拒否するという訳ではなく、おそらくそれ以前に犯罪まがいの被害に遭ってしまったことから、身の安全を確保するために、自分に興味を抱いた相手は危険をもたらす可能性があるとして、そういった反応を示してしまうようになったのではないかと思われます)。藤岡先輩に好意を持たれ告白されますが、石原紫は反射的に断ります。

躊躇なく告白を断る)

諦めない藤岡先輩は、手練手管を弄し、2人は交際しているということを周囲を巻き込んで既成事実化していきます。藤岡先輩の狡猾な振る舞いによって石原紫の行動が封じられてしまったことも否めませんが、結局、石原紫は藤岡先輩に、そして周囲に対して明確に交際を否定することはありませんでした。

(周囲を巻き込んでの既成事実化)

3巻第6話の海での対決の場面で、藤岡先輩は「キミは昔みたいに黙って大人しく流されていればいいんだ」と石原紫に対して言い放ちますが、藤岡先輩の言動は、石原紫は自分自身の明確な考えが希薄であり、周りの人の目を気にして自己主張できず流されてしまいがちであるということを見抜いていたことに基づくものだったのでしょう。

看過されていた本質)

2巻第3話において渡直人に語った、恋愛相手に求める「純粋・誠実・優しい」は、中学の時に藤岡先輩から結婚相手に求める条件を問われた際に思い付きで言ったものであり、また、その後の渡直人との関係において、これを求めたこともありませんでした。これも石原紫自身の考え、ポリシーが希薄であることの表れなのではないかと思われます。

取り敢えずの「理想」)

②言動に歯止めが効かない傾向がある

石原紫の性格の特徴としてもう一つ挙げられるのは、言動に歯止めが効かない、ということであろうと思われます。石原紫が渡直人に好意を抱き、そしてアプローチする過程においては、渡直人が館花紗月に浅からぬ想いを抱いていることを感じさせる場面もしばしばありました。また、館花紗月の存在感を意識することはしょっちゅうでした。

館花紗月にドン引きする石原紫)

普通ならば、例え渡直人が言葉の上で館花紗月との関係性を否定しようとも、渡直人と館花紗月の間に割って入ることにはリスクを感じるのでは?と思ってしまいます。また、渡直人にしてみたら、石原紫が言うところの「純粋・誠実・優しい」に反するような行動も取っています。

石原紫の前で館花紗月に抱き着く)

しかし、石原紫は、状況を踏まえて渡直人への好意を検証する、あるいは修正することはありませんでした。

また、4巻第3話にて渡直人に告白し、そして第5話にて渡直人は一度は「ごめん」と断り、そしてその理由を語りますが、石原紫は半ば強引に交際を求めます。渡直人としては将来のことを考えてとの意図もありましたが、石原紫は館花紗月の存在感故に交際を焦り、突っ走ってしまいました。

一度思い込んでしまったら、歯止めをかける、あるいは軌道修正すべき状況が生起したとしても、それが出来ないというのが石原紫の性格の特徴の一つなのかなと思います。


③男性の選択の基準が歪である

渡直人に興味を抱いたきっかけは、渡直人が下着姿の彼女に全く興味を抱かなかったことにあります。渡直人は知らず知らずのうちに、石原紫が渇望していた「自分に興味を抱かない相手」の座を獲得していた訳です。

出会い)

そして、石原紫は渡直人に対し、館花紗月との関係を何度も確認します。交際を始める前もですし、交際を始めてからもです。

(執拗な確認)

5巻第5話においては、館花紗月に対しても確認しています。

取りようによっては非常に奇妙な考え方です。自分に興味を抱かない相手に好意を抱き、そして、自分に興味を抱かないその相手が他の女性に興味を抱いていないか、幼なじみというのが本当かについて執拗に確認をしているのですから。渡直人のことを信頼していない、とまでは行かないのでしょうけれども、何かの拍子に疑念を抱く訳ですから、潜在的な不安を継続的に抱いているのでしょう。

自分に好意を抱いている相手を交際相手として選んだのならば、他の女性との関係について心配することも、執拗に確認することもないのではないか?とも考えてしまいます。

自分に興味を抱かない相手を恋愛の相手として選択するといった基準が歪な故に、このようなことになってしまうのではないでしょうか。


以上、石原紫の性格に関する説明になります。以降の記述については、私の推論を大幅に含んだ内容となっちゃいます。話半分ってことでご認識くださいm(_ _)m


中途半端なんですが、文字制限の関係で今回はここで終わらさせて頂きます。すみません。


最後まで読んで頂きありがとうございました。



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