現在、館花紗月と渡直人の関係性に係るエピソードの考察を行なっていますが、その中で、3巻第6話における館花紗月の怒りの理由について、解釈を変更しましたので、その理由等について説明させて頂きます。

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最初に怒りに至るまでの経緯を述べ、それを踏まえて解釈の変更について述べさせて頂きます。


怒りに至るまでの海での旅行の経緯

館花紗月は海への旅行において、渡直人にせっかく頑張って選んだ水着を褒めて貰えませんでした。また、石原紫との買い出しから帰ったら一緒に海で泳ぐとの約束も反古にされてしまい、いいことは何もありませんでした。

そして、渡直人と石原紫の関係は深まるばかりであり、あろうことか、館花紗月は渡直人のために、石原紫に執拗に迫る藤岡先輩を追う払う決定的な役割を果たし、石原紫との関係を深めるアシストすらしてしまいました。

石原紫は館花紗月に対し、旅行から帰ったら渡直人に告白すると宣言しました。

(衝撃の告白します宣言)

渡直人の態度から考えると、石原紫からの告白を恐らく受け入れるだろうと考えた館花紗月は暗鬱たる気持ちになり、また、悲しみと絶望感を抱いていたと思われます。

そんな気持ちを抱えながら、館花紗月が旅館のロビーで館花紗月が一人で自販機で買った飲み物を飲んでいると、渡直人がやって来て、夕飯を食べていなかったねと言い、コンビニで買って来たおにぎりを渡しました。一緒におにぎりを食べながら、館花紗月は渡直人に石原紫との関係が深まって良かったね的なことを言い、渡直人は照れながら満更でもなさそうな反応を示します。

(満更でもない渡直人)

渡直人は焦ったような感じで、館花紗月の活躍で男子の間で彼女の評判が上がったこと、館花紗月が徳井とも話すようになったねと言いました。

そして、渡直人が、「徳井 いいヤツだもんな、あいつだったらお前も」と言った時、館花紗月は渡直人の言葉を遮るように「そういうの別にいい」、「直くん以外の人間に興味ない」と言い、一連の台詞が始まります。

(怒りの発端)


解釈の変更点

従来の解釈

従来(関連考察→館花紗月の怒り)においては、渡直人の「徳井 いいヤツだもんな、あいつだったらお前も」は最後のダメ押し、いわば駱駝の背骨を折る最後の麦藁であって、それまでに蓄積されていた悲しみなどを表面化させた契機だという解釈でした。

新たな解釈

新たな解釈は、渡直人の「徳井 いいヤツだもんな、あいつだったらお前も」の意味合いについて、館花紗月は、渡直人は、彼は石原紫との関係の深化に注力するから、もう館花紗月との関わりは必要ない、館花紗月は渡直人でなく徳井などの他の男性との関わりを持つことに興味を持てば?と水を向けられたと考えた、というものです。つまり、渡直人から館花紗月との関係はもう必要ないと言われてしまったと彼女が認識してしまった、という解釈です。

この解釈に至った理由としては、以下の三点が挙げられます。

①館花紗月は渡直人と石原紫との関係の深化に反対はしていない

館花紗月としては、渡直人との関係を深めたいと思っており、彼が石原紫との関係を深めることに当然ながらいい思いは抱いていません。しかしながら、それに反対する、あるいは積極的に妨害するといったことはありません。むしろアシストすらします。

(決定的なアシスト)

何故か?についてですが、それが渡直人の望みだからです。渡直人の望みであるならば、館花紗月にとってそれが心を削るような苦しみを伴うものであっても、従容としてそれに従う、というのが彼女の基本的な考えです。ですので、石原紫の宣言(旅行から帰ったら渡直人に告白する)が怒りの主因ではないかと思われます。

そもそも、館花紗月自身、渡直人との交際を諦めているような素ぶりを見せる場合すらあります(関連考察→渡直人の不安

(諦観)

②館花紗月のこの時の行動

渡直人が館花紗月におにぎりを渡し、一緒に食べている時の館花紗月の表情に怒りの影は感じられません。一部のコマでは頰をやや赤らめており、感謝しているような素ぶりも見受けられます。

(嬉しくなくはない親切)

しかし、渡直人の「徳井 いいヤツだもんな、あいつだったらお前も」の発言の時に急に態度が変化しています。この発言自体に重みがあるのかな?と考えられます。

③4巻第2話及び第4話での館花紗月の発言との整合性

4巻第2話の館花紗月の部屋の前でのシーンでの彼女の最後の言葉は、「私はもう直くんとは関わらない」であり、関係を断つとの意味合いです。

(絶縁宣言)

これに対し、第4話において仲直りした時の館花紗月の言葉は、「ただの幼なじみとしてなら、これからもそばにいていいってこと?」であり、関係性を維持できる事への喜びを示しています。

(復縁の喜び)

いずれの発言においても館花紗月が重視しているのは「関係性の維持」です。渡直人が「徳井っていいヤツだもんな、あいつだったらお前も」の発言により、館花紗月との関係性を否定しようとしたと考えたため、彼女もそれに相応する言動を取ったと考えることが整合性が付きやすいのかなと考えます。


以上、3巻第6話における館花紗月の怒りの理由に関する解釈の変更でした。


以前の考察(関連考察→館花紗月の怒りについては、逐次修正していく予定です(修正しましたら、その旨を当該考察に注釈として追記します)。


ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。


最後まで読んで頂きありがとうございました。


平成30年7月11日  はるあきら