まばらな星を
雲がかすめてく
静かに見上げて
時を過ごす
せめて今夜は
いやな想い出
月の裏側に
かくしてしまおう
幸せはさまざまに
気配で感じるもの
呼吸ひとつ
吐息ひとつ
胸のそよぎ
熱くする
おだやかなシルエット
雲の晴れ間に浮かぶ
月の光り
恋のソナタ
いま、ゆるやかに
流れ出す
せめて今夜
地球を止めて
この夜を
長引かせたい
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転移が広がってしまい
母の癌はもう
施しようがないらしい・・
そんな体なのに
家のことや家族の心配
あちこちの支払いは
いまどうなっているのか・・とか
病院へ見舞いにいっても
いつもそんな心配ごとばかりで
夜は眠れないっていうんだ。
そんな時も僕は変わらず
おだやかな笑顔で話しを聞いてるんだ。
それでいいのかな
こんなんで
いいのかな
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