目に青葉、山ホトトギス、初カツオ

   江戸時代の俳人

       山口素堂

   女房を質に入れてもと言われた

   初カツオ、、


 本来は初夏を歌った句


 なのに、、ホトトギスどころか?!

 鶯の初鳴きまえに!



 今朝の対面鮮魚では、、



  













  早くも!


  初夏の初カツオが!




  カツオの刺身、、冷凍解凍ではなく


  生カツオ、、、



  当地は恵まれており、、



  カツオの本場、、土佐の高知まで


  1.5時間、、ひとっ走りで



  ひろめ市場に!


  初カツオを、、食べに!の



  梅雨入り前の、恒例行事が!



  な!なんと、、、春の訪れと共に




  かごんま から届いた!




  






  早速、、片身を!叩かずに!刺身で



  口の中で、、、蕩けた!




  女房、、居ないけど、、



  居たら、質に入れても食べたいって



  言った吾人の 感嘆が!




  よっく!理解出来る!



  てか?!



  かの吾人の嫁、、



  質種になる程、、


  素晴らしい嫁やったんやな!



  それは、それで!


    チト、、羨ましいな!




  とは言え、、



  侘び住まい、、独酌で、



  鮮度抜群の、、初カツオ当てに飲む酒で




  出て来た詩は、、、



  カツオでは無く、、





  佐藤春夫  秋刀魚の歌 

あはれ

秋風よ

情〔こころ〕あらば伝へてよ

――男ありて

今日の夕餉〔ゆふげ〕に ひとり

さんまを食〔くら〕ひて

思ひにふける と。


さんま、さんま

そが上に青き蜜柑の酸〔す〕をしたたらせて

さんまを食ふはその男がふる里のならひなり。

そのならひをあやしみてなつかしみて女は

いくたびか青き蜜柑をもぎて夕餉にむかひけむ。

あはれ、人に捨てられんとする人妻と

妻にそむかれたる男と食卓にむかへば、

愛うすき父を持ちし女の児〔こ〕は

小さき箸〔はし〕をあやつりなやみつつ

父ならぬ男にさんまの腸〔はら〕をくれむと言ふにあらずや。


あはれ

秋風よ

汝〔なれ〕こそは見つらめ

世のつねならぬかの団欒〔まどゐ〕を。

いかに

秋風よ

いとせめて

証〔あかし〕せよ かの一ときの団欒ゆめに非〔あら〕ずと。


あはれ

秋風よ

情あらば伝へてよ、

夫を失はざりし妻と

父を失はざりし幼児〔おさなご〕とに伝へてよ

――男ありて

今日の夕餉に ひとり

さんまを食ひて

涙をながす と。


さんま、さんま

さんま苦いか塩つぱいか。

そが上に熱き涙をしたたらせて

さんまを食ふはいづこの里のならひぞや。

あはれ

げにそは問はまほしくをかし。