業者Xが屋根カバー工法で屋根をリフォームしたのに、防水シート(ルーフィング)未施工だったため、ひどい雨漏りになってしまった我が家でしたが、雨漏りが一番ひどかったのが、棟(むね)の部分でした。
屋根の棟とは、この場所です。
赤い線の引いてあるところが、棟(むね)です。
棟が、どうして屋根の他の場所(平たい部分など)に比べて雨漏りに弱いのか?
棟は、屋根材(うちの場合はガルバリウム鋼板)がどうしても切れる(つながらない)場所だからです。
角度がついているので、屋根材をそのままつなげて施工できないのです。
長方形の板状の屋根材(ガルバリウム鋼板)を、横に順番に施工していったとき、どうしても棟の部分でいったん切断することになります。
そして、ガルバリウム鋼板は、それ自体は雨を通しませんが、継ぎ目や切れ目があれば、そこは雨を通すので弱点となります。
つまり棟の部分には、屋根材の切れ目が連続するので、特に雨の浸入を防ぐ必要がでてくるわけです。
そこで登場するのが、棟板金(むねばんきん)。
棟板金が棟のラインをすっぽりと覆います。
棟板金、と言われても、イメージがわかない方も多いかもしれません。
下に、棟板金の写真を載せました。
※ この写真の棟板金の施工は、業者Xではありません。
これは、最終的に屋根(雨漏り)の全面修理をやってくれた業者Cの施工写真です。
棟板金がどんなものであるか、私が持っている写真の中で一番わかりやすい写真だと思うので、これを載せています。
屋根材(ガルバリウム鋼板)と、棟板金の色が一緒で、見にくいでしょうか?
オレンジ色の線で囲ってみます。
囲った部分が、棟板金です。
棟(屋根材が連続せず、切れてしまう部分)を守ってくれる、頼もしい棟板金(むねばんきん)。
ただ、それでも強風時などは、棟板金の下から、どうしても多少の雨水は入りこんでしまいます。
それが棟の、屋根材の切れ目から、さらに下に入りこんでしまったら大変
でも、安心してください
屋根は、基本的には二重に守られているのです。
屋根材と、防水シート(ルーフィング)は、セットで施工されているから。
もし屋根材の切れ目などから雨が入り込んでも、その下に防水シートがあれば、雨は防水シートの上を流れ落ちるだけ。
それ以上、下の方に浸みこんでいくことはありません。
つまり屋根は、屋根材と、防水シートの二段構えで雨を防いでいるので、屋根材の下に雨が入り込んでも、すぐに雨漏りにはならないのです。
ですが、その大切な防水シート(ルーフィング)が、施工されていない場合は、雨漏りの危険が高まります。
というか、確実に雨漏りする、と考えた方がよいと思います。
屋根材単独では、雨の浸入は防げないからです。
屋根材が密封されているわけではないので・・・。
そして、棟が雨漏りに弱い理由はもう1つ。
棟板金を施工する時に、屋根に釘を打つから。
その釘は、防水シート(ルーフィング)に、穴をあけてしまうため、どうしても棟は他の部分にくらべて、雨漏りに弱くなります。
防水シート(ルーフィング)には釘穴シール性とか、止水性とか呼ばれる性能があり、釘穴を防水シート(ルーフィング)が締め付けて水の浸入を防いでくれるのですが。
完璧に防げるわけではなく、また経年劣化で、その性能も弱くなります。
釘穴があくというのは、そうでない場所と比べてどうしても雨漏りのリスクが高くなるので、棟が、雨漏りの危険性が高いというのは、仕方のないことなのだと思います。
話を整理しますね。
つまり屋根は基本的に、1次防水である屋根材と、2次防水である防水シート(ルーフィング)が二段構えで防水機能を発揮しているのですが、棟に関しては、そのどちらもが弱点を抱えているということです。
1次防水である屋根材は、棟の部分でどうしてもいったん途切れ(切れて)しまい、切れ目ができますし。(その切れ目は、棟板金でカバーはしますが・・)
2次防水である防水シート(ルーフィング)は、その棟板金の設置により、屋根の他の部分よりも多くの、釘穴があいてしまうのです。
棟付近に関しては、雨水が、1次防水も2次防水も、突破してしまう危険が高い、ということです。
たとえ1次防水が破られても、2次防水の防水シート(ルーフィング)があれば、そこで雨の浸入はとまるのですが。
1次防水と2次防水の両方が突破されてしまえば、もう雨水をとめるものはありません。
棟(むね)が、屋根の平たい部分に比べて、雨漏りに弱いのはそういう理由です。
そして、屋根カバー工法なのに、防水シート(ルーフィング)未施工で工事されてしまった我が家。
雨漏りは、やはり棟から始まりました。
実際どんな状態だったのか、業者Eが棟の部分を撮影した写真がありますので、ご覧ください。
これらは、業者Xが施工した棟板金とその下地材である貫板(ぬきいた)を、取り除いた状態で撮影されています。
棟板金の下の、業者Xがどのように棟の部分を施工したかという部分が、はっきり映し出されています。
これらの写真を見ると、棟からどのように雨漏りしたのかが、わかると思います。
撮影日時は、2020年9月9日。
左右に走る一本の黒い線は、屋根上に設けた、作業用のロープの影です。
この写真のままだと、まだ少しわかりづらいと思うので色を付けて解説したいと思います。
この赤い線が、棟のラインです。
オレンジ色の線は、棟板金で覆われていた部分を示しています。
この緑色の部分が、既存の屋根(新築時の屋根)の見えているところです。我が家の場合、既存の屋根材は、スレートです。
そのスレート屋根の上に、我が家は屋根カバー工法をやってもらったのでした。
本来でしたら、この緑色の部分には、スレートではなく、新しく設置した防水シート(ルーフィング)が、あるはずだったのです。
でも、この緑で塗った部分には、既存(新築時)のスレート屋根材が見えています。防水シートがないのです。防水シートが施工されていないことがわかります。
業者Xが棟のライン(赤い線)ギリギリに、きれいに金属屋根(ガルバリウム鋼板)を切っていたら、この隙間(緑色の部分)は見えず、防水シートがないことの確認は、屋根材を剥がさない限り、難しかったかもしれません。
でも、ガルバリウム鋼板を切るラインが、棟のラインと合っておらず、ギザギザだったために、下のスレート屋根が露わとなりました。
防水シート(ルーフィング)がないことが、よくわかります。
棟板金の下に入りこんだ雨が、この防水シート(ルーフィング)のない部分に浸みこんだら・・・。
雨漏りするのも、当然です。
そこにある既存(新築時)のスレートは、棟で切れ目が出来ていますし、劣化でひび割れもあります。
そしてその下の、既存(新築時)の防水シートは、耐用年数を過ぎて、釘穴もたくさんあいている状態です。
雨は、そのままその下へ。
野地板を濡らし、天井裏から激しく、雨漏りとなって降りそそいだのです。
強風時など、棟板金の下に雨水が入り込むのは仕方のないことですし、想定されていることであり、そのために防水シートを施工するのですが。
その防水シートがなければ。
当然、そこからどんどん雨漏りします。
(長くなってしまったので、次回の記事に続きます・・・)
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本日の記事はここまでです。ありがとうございました。
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