前回ブログ記事からの続きです。
一級建築士の先生に、雨漏りの調査をしていただいた結果は、やはり、雨漏りの原因が防水シート(ルーフィング)の未施工にあるというものでした。
やはり・・・ということで、この結果については驚きませんでした。深刻な雨漏り被害の後、自分でも必死になって屋根のことをいろいろ調べ、屋根カバー工法で防水シート未施工はありえないことは、わかっていました。
屋根は、屋根材と防水シートがセットで防水機能を発揮しています。既存の屋根(屋根材と防水シート)が古くなったから屋根カバー工法をするのに、屋根材だけを新しくしても意味がないです。それでは見た目だけが新しいが、防水機能に欠ける屋根になってしまいます。
防水シートは、屋根材を施工してしまえば見えない部分になるけれど、実は、雨の浸入を防ぐ最後の砦であり、屋根材(ガルバリウム鋼板など)だけでは、雨の浸入を防げません。
調査結果は書面でいただいたのですが、他にもいろいろなことが判明しました。
屋根材メーカーのマニュアル通りでない施工がありました。
順番に説明します。まずは、
1.既存屋根上に、厚さ12ミリ以上の耐水べニアが未施工。
メーカーの施工マニュアルでは、既存屋根の上に厚さ12ミリ以上の耐水べニアを施工し、その上に防水シート、さらにその上に金属屋根(ガルバリウム鋼板)を施工することになっていました。
既存屋根は多少凹凸があってデコボコしていますし、劣化していますので、平らにして、さらに下地の強化という意味での、耐水べニア施工指示だと思います。
施工マニュアルでは、もし耐水べニアを使用しないのであれば、粘着層付アスファルトルーフィング(防水シート)を全面貼りするよう、書いてありました。
粘着層付ですと、タッカー(大きいホチキス針のようなもの)で固定する必要がないため、そのぶん穴があかず、雨水浸入の危険が少なくなります。
それなら、耐水べニアを施工しなくてもいいですよ、ということでしょう。
しかし現実の我が家は、耐水べニアの施工はなし、防水シート(ルーフィング)の施工もなし、です。
そもそも、防水シートが一切施工されませんでした。
他にも、
2.棟(むね)に15mm程度の薄い貫材(貫板:ぬきいた)の使用。
3.屋根固定にステンレスビス未使用。釘固定。
4.隅棟部、屋根材の端を立ち上げ(返し)加工が未施工。
どれも、屋根の耐久性を考えたら大事なところですが、ことごとく施工マニュアルを無視した作業が行われていました。
30×40の桟木が指定されていたのに、15mm程度の薄い貫板(下地材)では、腐りやすく釘が抜けやすくなってしまうのも無理ありません。
別にマニュアル通りでなくとも、たとえばもっと厚い(腐りにくい)木材を使うとか、樹脂製のものを使うとか、であればよかったのですが。
業者Xがやった、我が家の屋根カバー工法を、ものすごく簡単にまとめると、こういうことになります。
既存の屋根の上に、あらたな防水シートを施工せずに、いきなり屋根材だけをのせました。
雨の浸入しやすい棟も、施工マニュアル通りに施工せず、かつ代わりの雨仕舞なども一切施しませんでした。
これでは、深刻な雨漏りが発生するのも当然だと思います・・・。
一級建築士の先生の調査では、他にも次のようなことがわかりました。
我が家は、屋根カバー工法で金属屋根(ガルバリウム鋼板)を、横に葺いて(ふいて)いったのですが、これが傾いていました。
地面に対して平行に施工すべきところが、屋根の東面が、右下下がりに施工されていたのです。(北に向かって下がっている)。
南から北へ3センチほど傾斜した状態で施工。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、図にしてみました。
傾斜があると、屋根材の継ぎ目に入った水が、右下、つまり北側に向かって流れます。
実際、屋根材の継ぎ目に水を入れてみると、北側の北東隅棟に、水が出てくるのが確認されました。
屋根材の端部は、立ち上げ加工されていないのですから、出てきた水は、そのまま棟の貫材(貫板)を濡らすことになります。
貫材(貫板)が腐れば、釘が効かなくなり、棟板金が飛びます・・・。
なぜこんなにひどい雨漏りが・・・と、不思議だったことが、その仕組みがわかり、最終的にはすべて、謎が解けました。
結論として、屋根カバー工法時に、新しい防水シートが未施工だったことが、大量の雨漏りの原因です。
そして、棟の施工不備があったとしても、新しい防水シートさえきちんと施工してあれば、雨漏りは発生しませんでした。
この雨漏りの修理は、板金屋根をめくり、新たなルーフィング(防水シート)を全面施工する以外に方法がない、ということです。
新たなルーフィング(防水シート)を全面施工しないと直らない、というのは、一級建築士の先生だけでなく、それまでに相談した屋根業者の方からも言われていました。
私自身も、いろいろと屋根の仕組みを勉強した上でよく考えて、それ以外に方法はないと思いました。
こうして、一級建築士の先生のおかげで、雨漏りの原因や、どう修理すればいいのかが、最終的にはっきりとわかったのでした。
専門の先生に雨漏りの調査を依頼して、本当によかったです。自分では気が付かなかった点なども、しっかり指摘していただけました。ありがとうございました
このブログを読んでいる皆さんが今後もし、屋根カバー工法をやるときには、必ず新しい防水シート(ルーフィング)を施工して下さい。
そうでないと、雨漏りします。
屋根カバー工法で、新しい防水シートを施工しなかった場合。
その場合は、新しい防水シートにあいた釘穴からの雨漏り(限定的なもの)などではなく、防水シートなしの状態での雨漏りとなりますから、雨漏りの量が半端じゃないのです。
それもそのはずです。とっくに耐久年数を過ぎた、新築時の劣化した防水シートのみしかないのですから。釘穴どころではなく、劣化した耐久年数切れの防水シート、そのどこから漏れてもおかしくない状態なのです。
いったん屋根カバー工法(防水シート未施工)をしてしまったら、雨漏りで大変な思いをしますし、修理は防水シートを施工し直すという大規模なものになり、費用もかさみます。
まずは屋根カバー工法の工事内容をきちんと確認するようにしてください。
防水シートなんて要らないよ、という意見の方も、もしかしたらいるかもしれません。でも、私は、絶対に必要なものだと思います。屋根カバー工法では、屋根材(ガルバリウム鋼板など)を新しくすることと同じくらい、いえそれ以上に、新しく防水シートを施工する、ということが重要なのだと思います。
屋根のリフォームで、屋根カバー工法を考えていらっしゃる方がいらっしゃいましたら、まずはインターネット上で、屋根カバー工法について調べてみてください。
屋根カバー工法については、多くの屋根業者さんが親切に、わかりやすく解説してくれています。
私も、日々、屋根カバー工法について勉強し続けていますが、今まで「屋根カバー工法で防水シート不要」と言っているサイトを、1つも見たことがありません。
それが、答えだと思っています。
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本日の記事はここまでです。ありがとうございました。
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