連投失礼いたします。



久々に本を読みました。


「くまちゃん」角田光代著



主人公が入れ替わり立ち替わりふられる連作短編集です。


それぞれの短編の主人公は皆必死で切ないものがあります。


一つの短編のふる側の人が、次の短編ではふられていたり、ふられていた人が他の短編ではたくましく成長していたり、連作短編集の妙を感じました。


恋愛をテーマにしているようでそれだけじゃなくて、私は「成功」って何なのかなと考えさせられました。


ある短編の主人公のように、私も成功とは富も名声も手に入れることだと思ってました。


でもそれも一過性のもので、実際はそういう人たちは忙しいなぁとか感じてるだけみたいで、精神的充足感はないみたいな感じでした。


最後の短編の「ふられてもその経験が人生に必要だから恋をするのだ」みたいな言葉が印象に残ってます。


私は片思いばかりして来た人間だけど、それも私の人生に必要なことだったんだなぁと。


「相手の愛情を「欲しい、くれ」じゃだめなんだ」みたいな台詞も心に刺さりました。


思いが届かないからといって、相手に強いるような恋愛はだめなんだと。


ダメならダメで、潔く諦めて、自分で自分を満たすことをした方が良いです。


恋愛は一人でするものじゃないから、相手がいないのなら自分磨きする時間だと思って、一人でしか出来ないことを存分に楽しめばいいんだと思います。


二人で出来る幸せ、一人で出来る幸せあるのだから、ないものねだりしないでそれぞれに出来る幸せ楽しめばいい。





恋愛によって人生が変わったり、人生を変えるために恋愛したり、色んな主人公が出てくるけど、若いうちの恋愛は、少なからずも人生に影響を及ぼすのでしょうね。


だからこそ、どんな大失恋であっても、その恋愛はその人の人生に必要なのだと私も思います。







久しぶりに小説を読んだのですが、知的労働をしているような感覚を覚えました。


角田光代の書く小説は骨太で濃密で、作品世界に引きずり込まれます。


今回はふられ小説なので、自分や誰かを投影してしまう時もありました。


良い台詞や金言もいっぱいあって、登場人物の物語を擬似体験している気になって、自分も成長したような気になりました。


私は自我の脆弱な人間です。


リアルで大失恋なんかしちゃうと壊れてしまうから、きっと本を読むことで擬似体験して成長しているのでしょうね。


本を読むことは、やっぱり楽しい。


これからも暇を見つけて、本を読む時間を取りたいと思います。





 

 

(短歌)

温かな炬燵にこもって曇天の土曜の午後は読書日和で/ハル


 

 

 

 

 

 

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