はて?
さらいこんでは居るけど過労にはなってない筈〜若い時みたいに回復しないから、トレーニングは大切だけど無理は禁物。
ふと、前日のレッスンを思い出す。
息を深く吸う為に肺の底の方を押し拡げる様な意識を持って貰うアドバイスをした。
それを自分がやってしまってブレス過多になってる。意識を持つだけで変わる事が沢山ある。
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」
若い頃から散々痛い目を見てる事。
因みにレッスンでアドバイスをした時に大抵の場合は次回のレッスン時に反対方向へ振れ過ぎてたりする。
大事なのは何をしたかより、何かをやった事で何がどうなったか?その時の良い状態を感覚として記憶する事。楽器の場合は必ず音と共に。
呼吸は上手く沢山吸えれば自然と外へ流れる。何回も書いてるとは思うのだけど、その時に力を抜けば溜息となる。でも、一度に流れ出ない様にサポートする事が支えの元になる。空気圧(水圧と同じ)で空気が身体に入り込まない様にヒトの身体は空気を押し出す様に出来て居る。それを利用しない手はない。上手く吸えれば吐こうという強い意識が無くても自然に息は外に流れ、その流れをコントロールすれば楽器は楽に鳴る。
その息を吸うことも、身体のポジションを上手くとれば自然に身体が息を取る。殆どはそれで足りる。
十分な息をとりそれを支えられれば(この状態は息を保持して居る状態〜車を運転する人の中でマニュアルミッションに乗れる人なら坂道をクラッチとアクセルで止まってる状態を思い浮かべてもらえれば解りやすい。ブレーキは踏んでない。息を保持しながら外見は止めて居るけど、決してフタをしてるわけで無く、少し吐いたり吸ったりが自由に出来る状態)、唇上のマウスピースを当てるポイントがはっきり判る。息が十分でないと判らない。これは先にマウスピースを当てるよりずっと効率的だと僕は思ってる。ここまで出来ていると楽器の経験のある人の口はアンブシュアを作る方向にマウスピースが唇に近づくにつれて動く。この動きを邪魔しない方が良い。大抵は上下の唇は真ん中に引き寄せられつつ、両端はキープする方向へ自然と動く。
その上に軽く載せる。
歯とマウスピースの間に唇をサンドイッチする感覚では無くてあくまでも唇に軽く乗せる感覚。これが出来て、息を吐く瞬間に唇を完全に閉じる行為「ブ」またはそれに近い力をかける事をせず(これはバジングをする時に唇で掴んでいる人達に見られる現象〜初心者はこれを覚えてしまうので、ほとんどの場合はバジングをするべきでは無いと考えてる)、自然に息が流れる状態を作り出せれば音は自然に発生する。これは声が出る原理と同じだと思う。音を発するのに息を吐く事を含めて大きな力は要らない。自然の流れに任せられる事。
ただ、人の感覚はとても精密だけど様々な要因で狂いやすいとも言える。例えば職人が手の感覚で覚える精度は機械を凌ぐ。でも、体調によってその精度が機能しない事が有る。少し外れてしまうが上の軽く乗せるプロセス、最初に押さえてしまうと唇のセンサーはその圧力で機能しなくなり高い音では常に高い圧力のプレスのみになりハイパートを吹き続ける事が難しくなる事がある。音も響きが少ない。それにプレスは腕によってマウスピースから一方的に押さえられてしまうと唇はサンドバッグ状態で簡単に腫れてしまう。センサーは完全に機能を停止する。時に唇自体を休みが必要な程に痛める。
唇が押し返す(受け止める)、身体が受け止める力(頭を含めた身体からのプレス)、マウスピースからのプレス、それらが全てバランスよくマウスピースと唇の接点において存在するからコントロールが効く。それを感じ取るのは唇のセンサー。腕のコントロールだけでは余りにも大雑把過ぎる。これはハイトーンのパッセージを自在に大きな音から小さな音、スラーからタンギングなど、あらゆる表情が創り出せる人には理解してもらえると思う。
因みにハイトーンでは息の量で無くスピードを上げてって表現もあるけど、物理的には〈スピードを上げる事=一定時間に唇を通過する量を上げる事〉なので同じ音量でハイトーンを吹く時の方が息が余る事を考えると科学的には正解ではないと思う。ただし、ハイトーンでロートーンよりスピードのある息がスムーズに流れる「感覚」はとっても大事。
(この同じ音量も科学的に同じとは言えないだろう。感覚的なものだと思う。感覚的と科学的は分けて考えつつもちゃんとリンクしないといけないと思う。)
感覚的に大切な事と物理的な事にズレがある事を理解してないと上手くいかない事がある。例えば、唇を閉じ過ぎたり、プレスが強過ぎて息を吐くのが苦しい人にもっとスピードをとアドバイスをしてもさらに苦しくなるだけで上手く行かない。
どの状態〜高い音でも低い音でも、大きくても小さくても、全ての状況で息はスムーズに流れてないと楽器のコントロールは難しくなる。「感覚的にスムーズに流れて居る事」が大切。
これらをソルフェージュを含め歌う意識と共にもう少し丁寧にやって貰うのがレッスンの中での準備。これが、意識的に毎回出来れば緊張は関係無い。