その間にある高校にすごく久々に合奏指導に行った。久々と云うのは合奏や指揮が久々という事。レッスンをしたり、その続きに合奏もコンクール前の一回二回程度アドバイスをして居て、生徒から来て欲しいと意見が有ったらしい~とっても嬉しいことで有るしもちろん喜んで尽力したい。
でも、先生には私のやり方は賞を取るというより音楽について考えて掘り下げるやり方を優先するしそちらの方向に熱くなる事も伝えて最初は月に一度ペース。
その1回目に向かった。
最初は基礎合奏。
個人的な基礎を合奏の中で向上させる事を考えるのはあまり賢明で無いと思う。ある条件を満たせば個人の力を引き上げてもくれるがそれは後ほど。
太鼓が拍を出し8拍づつ音階をロングトーン。
これ、とっても基礎のように思えるのだが、個人的には音楽的な音を感じる感覚を閉じて行く、失って行く練習だと思う。
一つの音を8拍我慢して真っ直ぐ息を吐いて伸ばす。
もうこれでは音楽には入れない。。
音は自然減衰するのが基本。
音を真っ直ぐ=息を真っ直ぐはある意味危険な意識になる。
音が自然に伸びるように自然に息を流すが正解で、音がどう響いているか聴かないと何の効果も上がらない。
音は伸びていても、クレッシェンドしていても減衰の要素が無いとただの怒鳴った音になる。
この辺りは言葉だけでは説明が難しい。
さてではどんな基礎合奏が?
一音2拍位で色々な調の音階をやるのはどうだろう?それが出来たら簡単なカデンツァ。音程感覚を皆で共有する事で個人の弱い所は自然に周りにつられて良くなる。
周りを聴くことを練習するのが合奏中では大切。
後はそれを拍子を変えて拍のヒエラルキーを自然と取れるようにしたり、フレーズだって感じられる。
タンギングを使うなら様々なリズムに変化させれば幾つかのパターンを全員で共有出来る。
コラールなんかもサウンドや調性感を身につけるには良いだろう。
そうこれらをちゃんと聞き合いながらやれば個人の技術やサウンドも向上する。
今どれだけのバンドが機械的な合奏基礎練習をしてるかは分からないが、音楽として考えた時に、そろそろそこから抜け出ても良いのではないだろうか?
極論はメソードなんていらない。
簡単な曲をやる事だって十分に合奏基礎練習になるんだよね。
そこが分かってないと奏者からその人の一番良いサウンドや心地良い音楽は引き出せないだろう。
従わせる事は出来ても。
私は社会人楽団の指揮もしてきた経験が有る。でも、純粋に音楽に対して何かをアプローチするのは難しい。音楽以外のどろどろした部分で嫌な思いをし、それで少し疲れてしまっているのだが、新たなところで望まれたならいつも全力を尽くす所存。