楽に音を動かすにはリップスラーの技術を外す事が出来ないと思います。
僕自身は『a, e, i, …..』のシラブルをもう使っていません。
レッスンでも使いません。
10代の頃から30年くらいは意識して来た事なのですが何時の頃からかある矛盾を感じ始めて個人的には使わなくなりました。このブログでも以前に触れているのですが。
声楽家とまでは到底いきませんが空間に響く声で歌うのと同じ感覚で音を動かしています。
シラブルは常に『 a 』
ただ、舌の位置(上下)は変わってます。上の音の時は上に。下の音の時は下に。
でも、『 e 』 や『 i 』の形状をする事は音の表情を変える時以外は有りません。
歌を歌う。喉の共鳴や身体の中の共鳴で音程をコントロールしています。
リップトリルは声のトリルと同じ。
これはバロックトランペットやナチュラルトランペットを吹く様になって確実にそう変化をしました。ずっと楽なんです。僕や僕の生徒さんには。
ハイトーンでも『 a 』
『 i 』って吹いている時はブランデンブルグコンチェルトが思う様に吹けませんでした。
バロック音楽が大好きなのに思う様に吹けないので依頼も断り続けてました。
でも、パーフェクトとは決して言いませんが自分のイメージに近く本番をする事も可能になった。
『 i 』だと途中で息が詰まって苦しくなりダウンするかラッパだけ音のデカイ状態、曲と戦う様なサウンドになる。でも『 a 』でファルセットの様に感じてあげればずっと負担は減るんです。
歌う事を基本に置いたら色んな事が解決した。跳躍も楽。緊張下でのコントロールやスタミナも良くなった。音色も上まで同じになった。ある国のオケの仕事で出会ったある国のオーケストラのラッパ吹きに『シラブルって知ってる?ちょっとやってみて…...』でも、僕はもう使わないんだって答えたら、『下から上迄どうして同じスムーズな感じで鳴るんだ?』って訊かれました。(僕はその仕事では2番だったので下のソのPPやFFが曲に出てくるし、音出しでは上迄吹いてましたから)歌う技術を使うと答えたら、あるラッパ吹きが同じ事を言ってると。その方はやはり古楽器も吹く方だった。ある国のその楽器の先駆者でした。
因に息のスピードもさほど音域で変わりません。
20代より40代最後の歳の今の方がずっと音域も音量もスタミナも良くなってます。
ただ、回復力は格段に落ちた。。泣