ブランデンブルグコンチェルト | HARUのブログ

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ラッパの事、普段の事、色々。


後1ヶ月程で今年一番の大仕事を迎えます。話を受けてから楽器の手配を始めて本番で使う楽器のセッティングがもう少しで決まります。
バロックトランペットでのブランデンブルグコンチェルトはなかなかチャンスも無いし、いろんな意味でリスクも高く踏み出すのに勇気が要るレパートリーの一つです。
殆どこの曲の為だけの楽器を用意しなくてはなりませんし、職業として考えると、完全に利益を無視をした大赤字なのですが、自分の限界を広げる為にはとても良いチャンスです。
この半年この曲の為に殆どのエネルギーを捧げたと言っても過言では有りません。
この曲をやると言う事がラッパ吹きにとってどう言う意味を持つのか?
たくさんの人に理解して頂けると嬉しいな~。



今回はスイスのE社の楽器を使います。

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二本おなじようにみえますが、ベルの太さや長さが違い左の楽器がブランデンブルグ用のFトランペット。
実は右の楽器もFの調にセッティングされているのですが、ベルの作りが違う為にその吹き心地や音色はかなり違います。
発注の段階から工房と100通近くのメールをやりとりしながら、楽器のセッティングや扱いを探ってきました。
自分の知る限りでこのタイプの3穴式の楽器でバロックマウスピースを使いこの曲を吹く人を国内では知らないんです。
わからない事だらけ。
全てマイスターに聞きました。
吹いて居るビデオを送ってアドバイスをもらったり。良くも悪くも自分にはこの楽器の師匠が居ない為に彼のアドバイスが非常に貴重で有益な物でした。

大体この曲をサラッとやる上手いラッパ吹きや、そこそこの力でも攻めるアグレッシブなラッパ吹きは少ないですから(笑)勿論自分はそこそこで攻めてる方ですけどニコニコ

この楽器を使うのはやはり音色とニュアンスを求めるから。実はモダンの小さなマウスピースでそれに対応した楽器で吹く手も有ります。その方が安全でしょう。でも、このE社の楽器は素敵なんです。少なくても私の耳にはサウンドが別の物になる。
多少の妥協は有りますが、出来るだけ本来の音に近い状態で演奏したい。

限界を決めるのは自分です。
諦めた時点で終わり。。

後、1ヶ月でとこまで行ける自分がいるかとても楽しみですし、素敵な楽器でとても大変だが大好きなこの曲を演奏できる事が楽しみです。