プチ・ツアーその1を振り返り(長文) | HARUのブログ

HARUのブログ

ラッパの事、普段の事、色々。

HARUのブログ-TS3C0565.JPG
金曜日に東京入りして、岡田さんと初めての合わせ。

デュオと言う形でご一緒させて頂くのは7年振り位である。

何回かやった曲、初めての曲。珈琲を頂きながらの談笑も含めて3時間程ゆっくりと合わせていく。
終わってから駅まで送って頂きホテルへ。

その日はフラッと財布に優しい鮨屋さんに行きホテルでゴ~ロゴロ、合わせる回数が少ないのもあり、ゆっくりと合わせの音を聴きながらチェック、イメージを作る。
途中寝てしまい、結局ちゃんと寝たのは早くなかった。

この寝る時に、明日はまた最初は緊張するんだろうな...と考えて居た(緊張は付物)
コンサートの中盤辺りから訪れる落着きが最初からあれば良いのにと何時も思う...テンパってコントロールを誤るとバロックトランペットは“バテ”が突然来るから怖い。(たまに平気な時があるんだが何故か判らず)
クリスマスオラトリオをやった時などは人生で一番緊張した。

そんな事を考える中で数日前のある会での演奏を思い出す~良い感じだった、なんでだろう?

あるコンサートの案内の為に訪れたのに、食事等のおもてなしを受けて恐縮しきって居たのだが、私が訪ねた事を喜んで下さって居る暖かな空気があり...演奏中も自分が自然体で伝えたい事を音にして居る感じであり、コンサートを本当に聴いて頂きたいと思いながら、同時に私の思いを皆さんが好意的に受けて下さった事に感謝して居た。(人の感情て空気で凄く伝わる)

ベッドの上で、これかな?
ふっと思う。
その感覚を思い出した途端に上手く吹かなくては、失敗したらどうしよう、バテ無いか?緊張してテンパったら...そんな緊張を呼ぶ感覚がすーっと消える感じがした。

翌朝、岡田さんの車で青木村に向かう。
お蕎麦やお菓子を頂いてから、テンポ等の確認の合わせを30分強。
本番まで後30分。
この辺りで緊張はピーク...にならない~こう言う時はステージ上でフライトしてしまいがちだがどうも感覚が違う。
とにかく楽しみで早くやりたい。

お客さんも予定より10名以上多い中、テデウムの前奏曲でスタート。
緊張しない。
だから音も自然に響くし、集中もしているからバロックトランペットに付きまとう(トランペット全般かな)ミスへの恐怖も無く、話をしたら息が上がるかと言うとそうでも無く...いつも平然を装いながらドキドキするあの感覚が全く無し。

演奏にただ集中。
2点だけ心掛けて。

・“感謝”する事。
足を運んで下さって目の前にいらっしゃる聞き手、招聘して下さった方、共演者、そしてステージで演奏出来る事とそれを普段から支えてくれる人。誤解が無い様に言うと、“感謝”は“媚びる事では無い”。
音楽はちゃんと自分の感覚を共感して頂ける様に。


・無理の無い呼吸(最近見つけた感覚)~慌てない。

この2っだけで後は音楽する事に身(感覚)を任せる。

始まる前から終わるまでここまで自然体に居れた事は無い。

もちろん完璧な演奏では無く、ミスもある(調子に乗り過ぎたり)し、ミスで無くても修正点はある。


この感覚をこの先いつも持てるかは解らないが、今まで闘ってしまっていた“緊張”が如何に“自分だけの思い”で作り出す物か改めて知った。

ステージに立った時にはもう緊張する必要は無い。
集中や緊張感は居るけど、自然体になれば良い。
成る為に日頃の努力が要る。

次の日の飯綱高原、だいだらぼっち小屋でも同じ感覚。
すぐ前にいるお客さんと一体感がある。

上記は、もちろん、自分のコントロールの問題だけで無く岡田氏の名サポートがあったからこそ。


2回のステージでの感想

☆表情が豊か
☆素朴で柔らかな音色
☆CDでは好きになれなかったバロックトランペットを生で聴いて好きになりました。

特に方向舎の社長さんの『柔らかいと言うより表情が豊かで真正面で聴いて居て幸せな気分になった』
~氏はちょうどベルの目の前にいらした、音を出す前は窓を開けないと音が強過ぎるのではと心配されていた。

と、だいだらぼっち小屋の御主人の『喋って居る様に聞こえる』

と言う言葉が自分が目指すトコロに近く勇気を頂いた。


演奏のクォリティはまだまだやる事は沢山あるが、とても大きな感覚を得た気がするのは違うだろうか?

もう一つ、この1年聴いた仲間何人かのjazzライブが今回のステージの空気の元になって居る事も忘れてはならない。肩肘はらずそのままの自然体、その時の自分をそのまま。。見栄をはったり、媚びたり、ラッピングだけ立派な演奏で無く“そのまま”感謝と誠意を込めて(もちろん喜びや悲しみや全ての自分も)やる事が大切。


この旅を最初に声を掛けて下さった岡田さん、方向舎の皆様、私の申し出を自らのオーベルジュで実現して下さり、もてなして下さっただいだらぼっち小屋の御夫妻、そして足を運んで下さった皆様に深く感謝してさらに先に歩んで生きたい。
先ずは第2段に向けて。

(第1段の演奏からいろんな意味で傷の少ないのを近々HPにアップします)