僕の大切なノートブック。 | 春田蘭丸のブログ

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願わくは角のとれた石として億万年を過ごしたい。

 大切なのは
 もう君ではないのだ。
 老いれば愛など嘘っぱち。
 人間関係も挨拶程度で十分だ。

 大切なのは
 すでに君よりお金だ。
 老い先短くなればしかし
 確かにそれほどお金も必要ない。

 待ちくたびれて
 今はもう愛を乞うこともない。
 それより大切なのは薄汚れた
 それ故なお愛しい自我のノートブック。

 ついに成功と無縁で
 甲斐性もなく過ぎてしまった。
 だけどお金では買えない営為が
 僕の心に堆く今は積み重なっている。

 愛じゃないお金でもない。
 お金で買える君もいらない。
 僕の大切なのは今を刻んだノートブック。
 含羞まじりに増やしてゆくこの瞬間この思い。