孤立無援の街路に土砂降りの雨。
お母さん助けて……胸中そっと呟けば
濡れるよ濡れる情けない姿が更に情けなく。
沈むよ沈む鬱々と心は更に惨めに。
出逢える仲間もなく得られる愛もなく
屈辱の傷口ばかり増す旅に倦み、
挙句ここはどしゃ降り涙も雨に掻き濡れて
己れの器も溢れた沼に呑まれるばかり。
もう駄目だ既に前を向く気力もない。
ぐるぐる回りぐるぐる回り遠吠えひとつ、
やがて湧く逡巡の果ての望郷の念。
もう無理だ既に尾を立てる意気もない。
帰ろう帰ろう懐かしいあの窓辺に今は、
そして記憶の帰路に見る郷愁の家。