西尾散策。 | 春田蘭丸のブログ

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願わくは角のとれた石として億万年を過ごしたい。

 宿直明けを利用して十一月二十三日の勤労感謝の日を散策に当てた。わざわざ祝日を利用するのだから、今回は一人散策ではない。その日が仕事休みのいつもの連れを同行。先月の篠島観光と同じコンビだ。
 今回選んだのは西尾市。
 今年に入って五月に日間賀島。先月の十月に篠島。俄かに離島散策が続いている。それなら序でにアートで島興しに取り組んでいる佐久島にも近々行こう。しかし佐久島は西尾駅からバスに乗りフェリー乗り場のある港までゆかねばならない。アクセスが上手く連携できるようバスの時刻やフェリーの時刻をあらかじめ詳細に調べておく必要がある。勤務明けを利用するのも時間的に慌ただしくなりそう。
 それなら佐久島は事前の下調べも万端に、僕も公休の日を利用して、又春にでも訪れよう。で、今回は佐久島に足を向ける前に少し地元にも馴染んでおこうと西尾市周辺の散策に決定したのだ。
 まずは西尾駅近くにある、西尾城跡地を利用した歴史公園をスタート。その後で味噌蔵見学。そして神社仏閣巡りを中心として、最後に古書ミュージアムに至るコースだ。
 二日前まで風邪による体調不良を引きずっていたが、その日は完全に復調。しばらく続いていたプレッシャーの掛かる会議や実習、更にはイベントがすべて片づき、そして天気は秋晴れ。気温も暑すぎず寒すぎず散策に打ってつけ。スケジュール的にも再び西尾駅に戻ってきたのが午後五時過ぎで、特に慌ただしくもないが、かといって物足りなさも感じない良い一日を過ごせた。
 いや、正直言うと前日の職場のイベントで一つチョンボやらかして、それが面倒な事態になりかけていたのを気分的に引きずっていたのは若干残念だった。
 更には連れのスマートフォンのカメラ機能が最初の公園の散策を終えたあとで不具合を起こしていることが発覚。それを直すのにそこそこ手間取ったのも内心苛立たしかった。撮った写真が緑一色に塗り潰されてデータに残ってしまう症状。あれこれ触ってみたが直らなかったので、これは一旦電源を落とした方が早いと思い、それを勧めれば、「電源の切り方がわからない」と俄かに信じ難い連れの発言。
 僕の機種はiPhoneで彼女はAndroid。
 僕もAndroidの電源の切り方はわからなかったので、慌ただしくも、「Android、電源、切り方」でネット検索。そこでヒットした記事を参考にしても実際に電源が消えない。おかしいなぁ……と更に試行錯誤。最終的には商品名である「Xperia」&「電源、切り方」で検索。そこでヒットしたやり方でようやく電源を切ることに成功。しかしその間あまりにも人任せで、こちらに全く協力的でない連れの態度に次第に昂ってくるものを自分でも感じ始めていた。結局その不具合は電源を一旦切って再起動かけることで解消したが、そこに至るまで懸命に、辛抱強くあれ、癇癪を起こすなかれ、と自分を抑えていたのだ。
 更に付け加えると、その後の連れの態度にも相当これモヤった。
 一応素直に「ありがとう」と礼を言ってくれたものの、「今後この手の不具合が起きた時は、一旦電源を切って再起動かけると直ることが多いから……」と、そのやり方を教えようとするのに、「わたし、こういうわからないことが起きた時は、職場で機械に強い何某さんにいつも見てもらうから……」とヘラヘラ笑っているばかり。
「いや、自分の使っているスマホの電源の切り方くらい知っておいた方がいいから。別に難しいものでもないし……」
 と根気よく説明しようとするのに真面目に聞こうとせずおちゃらけるばかり。
 今から振り返れば、ここで感情的にならず上手く気持ちを取り繕えたのがこの日の散策の分岐点だった。
 その後、せっかく撮った公園の風景が上手く撮れていなかったことに気落ちしていた連れを不憫に思い、昼食後もう一度写真撮影のために公園に戻った。
 スマートフォンを直すのに要した時間。プラス公園に戻って写真撮影のために散策を又やり直し。
 当然これで時間は大きくロスしてしまった。
 しかし撮り損ねた写真が改めて撮れたことを確認していた時の嬉しそうな連れの顔を見てつくづく思った、あそこで短気起こさずに済ませてよかった……と。
 という次第で道中の折々に気持ちがモヤることは若干あったが、何とか連れと喧嘩にならず、基本的には楽しく散策を終えられたことで今回はよしとする。
 予定していたコースも結果、さほど慌ただしくなることもなく無事に完了できたしね。
 旧近衛邸の縁側で饅頭摘んで飲んだ西尾名産の抹茶。
 昼食にトンカツ屋に入り、生ビールの当てで食べたエビフライ。
 いずれも写真は撮り損ねたけれど、それぞれ大変美味しゅうございました。