自殺なんて出来やしないのに
生きているのは苦痛そのものだ。
雨が益々どしゃ降りとなり、
窓の向こうあまた死が手招きする。
これ以上もう生きていたくはないのに
生への執着なぜ斯くも断ち難く、
地を這う虫が人影に怯えるように
不様この上なくなお逃れようとする死。
辛みが幸より上回り、
卑屈な虫けらの心は死にたい死にたいと、
それでもやはり生きたいのだ生きたいのだ。
甘美な憧憬とは裏腹に、
おのれを無に帰す死はなお恐怖で命愛しく、
雨へ還れと手招きする死に今は詩を紡ぎ抗う。