やわらかい日差しが
春を告げて降りそそぐ、
公園のベンチにコーラを飲みながら、
傍らにいない君に語りかけている。
やさしい幻影が寄り添う
この春の公園は今、
世界の終わりの予感が気だるげに漂い、
半ば夢を揺蕩う僕の心は平穏だ。
自我の薄き野良猫が伸びをして、
更に自我薄き筈の雀らが
ひかりと戯れ夢中のお喋り。
僕の気の利いたジョークに君も笑うさ。
もうすぐ終わる世界を気に病むことなく
公園のベンチに君と並んで腰かけている。
寧ろ世界がもうすぐ終わるから炭酸も弾けて、
素敵な嘘っぱちに溺れて最期の春を慈しむ。