四回目のコロナワクチン接種の顛末。 | 春田蘭丸のブログ

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願わくは角のとれた石として億万年を過ごしたい。

 四回目のコロナワクチン摂取券が届いていたのは今月半ば頃だったか。しかし職場の人員不足に伴う多忙は続いていて、これはしばらく放置するしかないか……届いた直後は半ば諦め気味にそう思っていた。前回までは職域接種が実施されていたので、手続きも楽だった。しかし今回から職域接種は行われない。病院選びから予約から何もかも自分で行わねばならない。シフトに余裕がある状況ならまだしも、たまにしか休みが取れない現状、こんなことにプライベートを割かねばならぬかと思うと、それだけで気分めげる。更には副反応を考慮に入れると摂取翌日を休日にしたい。しかし今は連休が取れない。
 さて困ったぞ。
 それでも摂取券が届いてすぐ、同封されていたワクチンが打てる病院の一覧表の中から、自宅近所を幾つかピックアップ。とりあえず電話をかけてみた。しかし電話自体繋がらない。繋がっても「今はワクチンの在庫がない」そんな繰り返し。
 さてさて本当に困ったぞ。
 という次第で一週間ばかり放置しておいた。しかし放置しても忘れ去れるでなく、いつも頭の片隅に「ワクチン打たなきゃワクチンを……」が引っかかっている。どうも落ち着かない。
 宿直勤務であった22日の夕刻、少し時間が空いたのでインターネットでこっそり病院を調べてみた。
 一つの病院が翌日に予約が取れるのを発見。僕のシフトは翌日が勤務明け。更に翌日が一日だけど休日となっている。しかしネックは空いている予約時間が一番早いので19:15。つまり午後七時十五分。場所は栄まで出向かねばならない。
 迷った。まぁ譲歩して、わざわざ栄まで出向かねばならないのはよしとしよう。しかし時間がなぁ……。
 午後七時十五分って、幾ら何でも遅過ぎない? こんなに遅く打ったら副反応が翌日どころか翌々日まで持ち越される可能性とか……。
 あと早めに打って気分的にゆっくり勤務明けを過ごしたい。そういう極めて心情的問題も含めて、幾ら何でも午後七時十五分は遅すぎるだろう……と。
 そんなに慌てて打つ必要もないしなぁ……。
 コロナ禍も一段落している現状も相俟って、今回は、早く早くという焦燥もさほど覚えない。これはスルーして、もっと条件よい日程を探してみようかしらん。
 一旦はそう思いかけた。
 しかし結局インターネットで見つけたその病院その時間帯で予約を入れた。もうワクチン打つ必要もないや、という開き直りにまで僕の場合まだ至れない。打つまでは頭の片隅に「ワクチン打たなきゃワクチン打たなきゃ……」が引っかかり続けるだろう。
 面倒この上ないが、その面倒を引き受けることで、その後の懸念を払拭しようぞ……と。
 結果的にその日は、何も予定のない通常の勤務明けの日より寧ろ時間を有効に使えた気がする。帰宅後まず洗濯機を掛けながら朝食。洗濯物を干した後、通常の勤務明けはこの後二時間程うたた寝することもしばしば。実際それは至極の時間でもある。しかし今回は時間の節約で取りやめ。副反応が出ると明日は時間を割けないかもと入念なストレッチング運動。ワクチン接種後は即帰宅して夜ご飯の準備に掛かるべく、運動後は近所のスーパーマーケットに食材の購入にも向かい、その後まだ余った時間を利用して部屋の掃除も実施できた。という次第で時間が来て、満を辞して栄に出向けたのはよかったと今は思う。
 現地では予定通りスムーズにワクチン接種。会場となったのは、観覧車が脇に回る例のビル。そこに入っている病院だ。接種後に一階へ下りると、敷地内の屋外ステージでは恐らくSKE48のライブが実施されていて、おたく連中が客先を埋めて盛り上がっていた。それを横目にいそいそ地下に潜り、僕は寄り道せずまっすぐ地下鉄で帰宅。ワクチン接種のためだけに往復の地下鉄代払ったことを若干もったいなく感じたものの、まぁ懸念を一つ解消できた安堵感の方がやはり勝った。
 夕飯の下準備後に入浴。風呂上がりに休日前の宴。その夜はいつも以上に夜ご飯が遅くなってしまったが、旬の秋刀魚を味わいつつ、安堵感に浸りながら飲む麦酒はいつも以上に美味かった。
 懸念だった副反応も腕の痛みと若干の倦怠感を翌日に覚えた程度。発熱はなし。葛根湯は念のため目覚めと同時に飲んだものの、解熱剤の必要はなく、日常生活に支障ない状態が保てたので、せっかくの貴重な休日を副反応で潰されることなく済んだのも有り難かった。職域接種を利用した今まで三回はモデルナで今回初めてファイザー製ということで、それも懸念の一つとしてあったが、杞憂に終わった。モデルナよりファイザー製の方が副反応が少なく済むという情報は得ている。しかしあくまでそれは一般論。人には個人差があり、寧ろ僕はファイザー製の方が相性悪い可用性がある。今までモデルナで副反応さほど強く出なかった。しかし案外ファイザーの方が……と。
 両方打った身で感想を述べると、若干モデルナの方が副反応が強く出る気はする。今回は腕の痛みもいつもより弱く、更に楽に感じた気はしたのだ。
 最もあくまでそれも気分程度。僕には極端に違いは感じられなかったのが正直なところだ。
 いずれにせよ、やるべきことはやった。これで近々もしも第八波が訪れても、とりあえず後ろめたさは感じずに済む。正直いうと、既にコロナに対する脅威はさほど感じていない。ワクチン接種は予防のためというより、僕の場合、今はまぁ世間体の方が先立つ。
 この先もどうせ付き合い続けてゆかねばならないのだから、いい加減コロナに関しても、日常の一部として受け入れてゆくしかないと最近は考えている。そう、インフルエンザ感覚でね。