鳥の見しもの。 同じ光景を見ていても、 君が今見るものが 僕が見ているものと一致するとは限らない。 いや違う。 絶対に一致しないのだ。 共に並んで目の前にする海に 君がきらめきを見る時、 呻きを心に軋ませて絶望を僕は見るだろう。 空の鳥は明快に 魚影を見つけて瞬時に突っ込む。 あ、鳥が……と呟けど、 隣の君といっしょくたにはなれず、 世界は無限性で僕たちを分断するのだ。 死を願う。 世界と融和する唯一の手段として死を。