鳥の見しもの。 | 春田蘭丸のブログ

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願わくは角のとれた石として億万年を過ごしたい。

 同じ光景を見ていても、
 君が今見るものが
 僕が見ているものと一致するとは限らない。
 
 いや違う。
 絶対に一致しないのだ。

 共に並んで目の前にする海に
 君がきらめきを見る時、
 呻きを心に軋ませて絶望を僕は見るだろう。

 空の鳥は明快に
 魚影を見つけて瞬時に突っ込む。 

 あ、鳥が……と呟けど、
 隣の君といっしょくたにはなれず、
 世界は無限性で僕たちを分断するのだ。

 死を願う。
 世界と融和する唯一の手段として死を。