ささくれ立つ神経。 | 春田蘭丸のブログ

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願わくは角のとれた石として億万年を過ごしたい。

 性根の悪さが滲み出ている
 その面構えが見るも不快だった。
 願わくは唾を吐きかけてやりたかった。
 お前にささくれ立つ神経が耐え難かった。

 二度とその面を見なくても済むように
 背後に回って蹴りを入れてやりたかった。
 目の前が断崖ならば。
 お前がそのまま海の藻屑と消えれば。

 実際はだけどお前の顔を日々見なければ。
 あろうことか挨拶をして、
 あまつさえ笑顔を浮かべねば。
 終わりなくこれが続くかと絶望した二十歳の夏。

 愛想笑いに卑屈さが滲まぬよう、
 お前の前では心を道化に置き換えていた。
 自分を取り戻すために
 お前との縁が切れた世界で海が見たかった。