思いのほか過ごせた御在所山上公園。 | 春田蘭丸のブログ

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願わくは角のとれた石として億万年を過ごしたい。

 夜勤明けを利用して訪れた湯の山温泉。凡そ三十一年ぶりの再訪。前回は当時付き合っていたカノジョと訪れたので、その時のあれこれを思い出させる懐かしくもセンチメンタル・ジャーニーとなるかと思いきや、意外に記憶に残っていない。カノジョを思い出しての感傷も殆ど湧かない。寧ろ初めて訪れた地のように新鮮に散策を楽しめたのが良かった。記憶の中ではロープウェイのインパクトばかり強く、実際に到着した現地はしょぼく、あまり時間も潰せなかった印象で残っていた御在所山上公園。この公園がことのほか良かったのも意外だった。広々としていて風景もよく、あちこちに鑑賞スポットも点在していて、ハイキングも兼ねてまったり過ごすのに持って来い。当時は日本カモシカセンターもあり、まだ時間を潰せたけれど、それも無くなった今、さほど時間を潰せないかと高を括っていたら、当時より時間を潰せた気がする。日本カモシカセンターが無くなったことで、あの頃より公園全体が広々と開放された印象も感じられて寧ろ良かった……という感想も覚えかけたが、この辺の記憶はどこまであてに出来るか甚だ心許ないので、覚えかけた感想は保留にしておく。当時も見たであろうが忘却の彼方であった長者池や伊藤冠峰の碑を探索。特に僕は郷土が生んだマイナー文人の碑に接するのが、散策の一服も兼ねて割と好きなので、漢詩の世界では多少は知られているらしい伊藤冠峰の碑の前で、これだよこれ、こういうのに辿り着きたかったのだよ……とほくそ笑んでしまった。後でインターネットで調べても、実際に郷土に根差した存在でしかないらしく、こういう機会でもなければその存在を知ることもなかったろう。最も、漢詩に関してはその読み方もわからないズブの素人なので、作品に接してどうこうという感慨に至れなかったのは残念であったが……。
 この日は陽射しが強い夏日であったが、標高の高さも手伝ったか、空気がカラッと乾いていて、暑さが殆ど苦にならない。吹き抜ける風も心地よく、何より風景が最高。折々ポケモンGOでも遊びつつ、心が浄化されるような時間を過ごせた。
 そうか。三十一年前に初めてこの地を訪れた時は、まだスマートフォンどころか、携帯電話も全く普及していなかったのだな……そんな感慨を覚えつつジムにポケモンを置いたり、スマートフォンの写真機能で、手当たり次第に写真撮ったりして過ごした。
 唯一つ残念だったのは、この山上公園に展望レストランがあると案内が出てたので、ここで昼食を取るかと予定を立てていたのが、平日だった所為もあるか、営業していなかった事。仕方なく缶ビールを購入して空腹を癒したが、何か摘みが欲しかった。これに関しては誤算であった。
 平日のメリットは空いていることであるが、この手のデメリットもある。