末枯れた夢に今は縋って。 | 春田蘭丸のブログ

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願わくは角のとれた石として億万年を過ごしたい。

 飢えたまま
 満たされないまま生きて来て、
 飢えたまま
 満たされないまま今がある。
 
 今日はやけに
 白いシャツ着た若者らが
 目の前を行き過ぎてゆく。
 その眩しさに湧く含羞。
 僕を隠してくれる隠れ家は何処や。

 隠れる場所が見つからない白日の街角で
 もう生き方が
 よく分からない。
 どこへ行けばいいかも
 まるで分からない。

 生き方も分からず
 ゆく当てもない僕は、
 君たちのその白さを汚す
 傍迷惑な老醜になるしかないのだろうか?

 飢えたまま?
 満たされぬまま?
 
 お腹が空いたよジーザス。
 生き方だってわからないよママン。
 
 だけどその内この背中に
 黒ずんだ羽根が生える可能性も
 必ずしもゼロではないだろう。
 貧相だとて、
 何とか君の部屋にまでは翔べる羽根が……。

 だから腹を空かしながら
 今は歩け。
 辿り着ける場所が既になくても、
 つんのめっても、
 取り敢えず
 今を歩け。
 
 再び歩き始めれば
 情が豊かな漆黒のカラスが
 憐憫のパンを空から落としてくれる、
 その可能性とて捨てたものじゃないのだから。