歌.306 | 春田蘭丸のブログ

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願わくは角のとれた石として億万年を過ごしたい。

 二ヶ月に渡って徐々に進められて行った引き継ぎも、いよいよ終わりを迎えようとしている。まぁ幾つかの揉め事や突発的事態は発生して、残念ながら四月一日より完全に新メンバーに移行して新たに再スタート……というわけには行かなかった。人手不足も手伝い、旧メンバーも指導役として、何人か来月も延長で居残る事になってしまったのだ。しかし前代未聞の馬鹿げた全とっかえの割には、まぁ概ねスムーズに移行した方ではないかと思う。本部の方も今回は人選をしっかり考えたのだろうか、あまり性格に癖のない、まっとうな連中を多く揃えてくれたので、余計スムーズに引き継ぎが完了したと思う。今まで、くせ者揃いの同僚に悩まされて来た身としては、この気持ちの良い連中と一緒に仕事がしたかった……という一抹の感傷が湧かぬでもないが、その仕事ぶりが、「お前らは白痴の集団!」という侮辱的な恫喝で完全否定された我々は、色々な思いをグッと呑み込んで、静かにここを去りゆくしかない。
 という一抹のやりきれなさを込めて一首。

青空に悔しさ一つ浮かびたり去りゆくものへ春風よ吹け!

 そう、新しい季節の始まりに、また新たな風が吹けばいい。その風はきっと、新しいと同時に、懐かしい風でもあるのだろう。

 ソウル・フラワー・ユニオン『風の市』
 https://youtu.be/x1oMPNya0cI
 僕も又、胸に抱いた蛇腹ならぬ鬱屈から歌を流せばいい。悲し過ぎて笑いながら毒を吐いてやればいい。毒にまみれた歌の中に、己れの影を刻めばいい。