歌.252 年齢を重ねれば重ねるほど可能性は勿論、いま生きる場所そのものが狭くなって来ているようにも思えて、僕も又、湯川遥菜さんのように死に場所を求めて、遠く不条理な世界を流離い歩きたいような感傷にも溺れかけるが、すっかり囚われてしまっている日常に対して、昼間は息苦しさと共に、夜は啜り泣きと共に、どちらも溜め息まじりに何とか堪え忍び、そこに拾えるものを拾いながら生きてゆくしかない。 という感慨と共に一首。日常にも見えた気がした鉄格子(てつごうし)その傍(かたわ)らにも拾える歌あり。