心の灯 | 春田蘭丸のブログ

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願わくは角のとれた石として億万年を過ごしたい。

 仲間も大勢いて楽しそう。彼を慕うマドンナも次から次へ現れて日々ときめきもある。何より彼には帰ってゆける場所もある。確かに、その甘く優しい世界に郷愁めいた安らぎを覚える。しかしそれゆえに寅さんには切実な思い入れや共感は湧かない。そう、社会から虐げられて帰る場所もないチャップリン演じる放浪者ほどにはね。
 僕も又チャーリーと同じく、あっちで蹴られこっちで小突かれながらも守り続けていきたい心の灯がある。貴女の面影ひとつを大切に育んでゆくことが出来るなら、希望なく堕ちきったこの場所で、世間の悪意と嘲笑に翻弄されながらも、なんとか闇に飲み込まれることなく最後まで生き切ることが出来そうな気がする。