ふがいない僕はコスを夢見た | haruの馬鹿力〜ただいま〜

haruの馬鹿力〜ただいま〜

この物語は、三十児の平凡な日常を淡々と描くものものです。
過度な期待はしないでください。

三連休を利用して、昔の同僚と飲んできました。
同い年で営業のカワグチくんと、武闘派ディレクターのミホさん、そしてharuの三人。





haruは、今の会社内では浮いている…いや、沈んでるんでね。
本音を話せる機会なんてほとんどないから、こういう同業の仲間と話せるってのは、貴重な機会なんですよね。



ミホ「カワグチくんもharuも、広告マンには向いてないよね、性格的に」

haru「なんで?未だにじゃんけんのタイミングが合わないから?」

カワ「城に興味ないのに、暇すぎて姫路城のプラモ買ったから?」

ミホ「違うって。ハハハ」

haru「じゃあなんで?」

ミホ「私はそう思わないんだけどさ…できるって評価されてる人って、『ちょっとしたことでは罪悪感を抱かなくて、我を通すことになんの疑問も抱かないような、不都合は全部他人のせいにできる…』そういう奴ばっかりな気がするのね。まあ、人として最悪な奴が多いんだけど、二人はそこ、真逆じゃない?」



カワグチくんはバランス感覚に優れた人だし、誰とも打ち解けられる。
それでいて気付く力もあるから、本来評価されるべき人だと思うんだけど…
確かに不遇だったり、組織の中で唯一無二の人ってわけでもないなあと思うと、彼女の言う意味はなんとなくわかる気がする。





今年、高校を卒業したばかりの女の子が隣の部に入ったんですね。
入社してからずっと、ひたすら電話で営業をして、それを毎日続けて…
それが数ヶ月続いている今、どう見たって彼女のテンションは下がっているんです。
ましてや、周囲はみんな年上。
彼女自身が明るく前向きなコだけど、やっぱり同期のように屈託無く話すことなんてできない環境は、疲弊すると思うんですよね。





けれど彼女が所属する部には、それに気づいている人がいないように見える。



先日まで同じような境遇で…
「上の仲良しグループで楽しんでばっかりで、置き去りですよ…俺のことなんて」
なんて言っていた一年先輩の同僚も、今やその仲良しグループに交じって、彼女を置き去り。



先日なんて、彼女以外の五人で部の飲み会を計画して、当日の朝まで彼女に伝えないなんてことまでする始末で、1人だけ調整できずに哀しげに帰って行く彼女をみると、なんか心が痛みます。





「鈍い」のは罪じゃない。
気付けるはずのことも気付けないのは、むしろ罰なのかもしれません。
けれど、気付かなければいけない立場で気付かない「鈍さ」は、大きな罪だと思うのです。
悪意という責任すら負わずに、「いい人だけど鈍いだけでしょうがない」なんて言われる人間を、haruは気持ちが悪いと感じてしまうんです。



けれど現実は、これを感じない人のほうが、「仕事ができる人」だったりするんですよね。
傷付けるのは、弱者だけだから。





だから、ミホさんが言うことはすごくわかる。
そして、こういう組織が自分には向かないことも知っている。



ミホ「haruは独立したほうがいいんじゃない?嫌われてんだし」

haru「ほほぅ、ハッキリ言ってくれるじゃないか。俺はな…孫悟飯の出現を待ってんだよ!」

カワ「とりあえず、魔閃光を習得してから言え」



そんなわけでharu、仕事ほっぽらかして魔閃光習得に向けた修行中です。
いや、ターバンを探すところから…



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