昨夜は今シーズン2回目のMPO定期。指揮は美人指揮者として人気上昇中(らしい)カネラキス。演目はエグモント序曲、ショスタコーヴィッチのチェロ協奏曲第1番、運命。ソリストはフェランデスでした。

先ずはエグモント。対抗配置で12型。ここまではいいのですがいわゆるHIP系というやつで、弦はノンビブラートが基本なのに管楽器は全て現代楽器。ティンパニはショスタコとは変えて小ぶりな物を使っていましたが、現代のティンパニでマレットを変えただけのように聴こえました。演奏は可もなく不可もなく、というかそれ以下かな。アンサンブルが明らかに乱れたのが3箇所くらいありました。これは珍しいです。

続いてショスタコ。2曲のヴァイオリン協奏曲に比べて退屈な曲ですが、フェランデスの音は硬めで曲想に合ってました。オケは14型にしてティンパニは現代のもの。ですが相変わらず(基本的に)ノンビブラートを続けているので特に2楽章で音が薄いのがマイナスでした。

メインの運命は12型に戻して引き続きノンビブラート。ティンパニも小ぶりな物に変えていました。HIP系なので基本テンポは快速。音は薄っぺら。管楽器は現代の物なので単に音量を抑えているだけなので音のバランスが悪いわけです。それで響きの薄さを速いテンポで隠そうとするので、ベートーヴェン特有の掛け合いとか音の対比が埋もれてしまう悪循環に陥りました。1楽章と4楽章でまたアンサンブルが乱れていました。4楽章はテンポが速すぎて何の抑揚もありませんでした。

カネラキスの指揮は比較的古典的な振り方で、わかりやすいのですが出てくる音楽が陳腐で頭の中はなぜ?のオンパレードでした。久しぶりのハズレ、というか一夜明けても怒りが収まりません。

中途半端なHIP系は全然ダメです。何がしたいのか意味がわかりません。ベートーヴェンの音作りをシャープに筋肉質にやりたいのならセル、ドラティあるいはギーレンあたりが40年以上前に普通の14型や16型でやっているわけで、今も新鮮に聴こえます。運命は特にギーレンのテンポ設定が私にとってベストです。


MPO定期は平日は30分早まって19時半開演になったので食事を摂ってから行く時間があまり無いのですが、いつも車を置いてから地下鉄に乗ってバスに乗り換える駅で小さなピザ屋があったので寄ってみました。結構前からあるのは知っていたのですがいつも通り過ぎるだけでした。バスを待つ時間でさっと食べられるので今回は試しに立ち寄ってみましたが、店員さんがとても親切で感じがよく、味も本格的で値段は3.8ユーロだったかな。チップ込みで4ユーロ払いました。5種類くらいあったのでまた平日のコンサート前には立ち寄ってみようと思います。


これからオクトーバーフェストに出かけるのか、若い女性が民族衣装でピザを買ってました。

コンサートにもこの時期は民族衣装で現れる地元民がいます。特に女性に多いですね。男性はクラシックファンはご老人が多いのでジャケットは着ていますが流石に皮の半ズボンを履いている人は滅多に見かけません。オペラハウスですらドレスコードは無いですが、ミュンヘンでは民族衣装は結婚式やパーティーで着たりする正装の一つなので全く違和感はないです。