ここ10年くらいは実演優先であまり録音を買わなくなってきましたが、かつては熱心に調べて買い漁ったものです。ピーク時には海賊盤を合わせて4500枚くらいCDを所有していました。モノラルは音質から興味がなく、記憶ではトスカニーニのブラームスくらいしか持っていなかったと思います。これらのディスクは置き場所にも困るようになり、iPodの登場で徐々にパソコンに落としては売却を繰り返し、今では300枚ほどに減ってしまいました。相変わらず所有欲はあるので、これぞという録音はディスクで買ったりダウンロードしたりしていますが。

こうした中で好みの曲、好みの音楽家というのが蓄積されてきて、それが今の演奏会選びに繋がっています。この指揮者なら聴いてみたい、と出かけることは結構ありますし、逆にそれが理由でパスすることも結構あります。録音ではよかったけど実演を聴いてみるとそうでも無かった曲や音楽家(指揮者)も結構ありますし、その逆もあります。比較的よく聴いた曲で新しい演奏家の評価をするのに役立ちます。直近だとマーラーの5番を振ったハーディング。ちょっと前ですが同じくマーラーの4番を振ったマケラ、シューマンを弾いたオラフソン。ハーディングはまぁOKですが、あとの2人は私には全然ダメでした。

時々考えるのは、そう言えばこの曲はあの人は録音に残していないな、ということです。契約の兼ね合いもあったでしょうが、特に今となっては実現のしようが無い故人の演奏には録音でしか接することができないので、つい妄想してしまいます。

よく考えるのがジュリーニ。ベートーヴェンやブラームスは全曲録音がありますが、シューマンは3番だけ、メンデルスゾーンは無し。ブルックナーは2、7-9だけですね。チャイコフスキーは悲愴と2番だったかな。ベルリオーズはロメジュリはありますが幻想はありません。フランス系だとフランクは何度も取り上げたようですが、オルガンは無いです。オルガンなんて合いそうですけどね。所属していたEMIの名物プロデューサーであるウォルター・レッグがお手上げだったというくらいレパートリーを広げるのに慎重だったそうですから。

それからプレヴィン。シンフォニーの全集は無いのでは?リヒャルトの管弦楽曲は結構網羅してましたが。ベートーヴェンは3番と6番が合いそうなのに録音は無いですね。師匠のモントゥーのように品のいいエロイカになりそうですが。ブラームスは4番だけ。あ、N響との3-4番がありましたかね。2番も聴いてみたかったですけどね。ブルックナーは皆無ですね。ちょっと合わない気がしますし。マーラーは4番だけですが、海賊盤で聴いたWDRを振った9番が素晴らしくよかったです。ロシア物も偏っていて、ショスタコは意外と録音がありますがチャイコフスキーはシンフォニーは5番とマンフレッドのみ。4番なんて合いそうですが。

テンシュテットはマーラーの印象が強烈ですが、ベートーヴェンやシューマンといったドイツ物も結構骨太で好きです。ブラームスはどういうわけかあまり合いませんね。ベートーヴェンは海賊盤で無理やり全集がありますが、LPOから出ているライブ録音は結構いいですが、LPOとエロイカの録音は遺して欲しかったです。VPOをグイグイ言わせたライブがありますが、手兵のLPOとだったらどんな怪演になっていたことか。

このネタは結構尽きないのでまたいずれ書こうと思います。