J・ガイルズ・バンド

 

先に紹介した「タワリング・イングフェルノ」に出演のフェイ・ダナウェイの元夫ピーター・ウルフが J・ガイルズ・バンドのボーカルだったので取上げました。

 

最初にこの邦題を見たとき,宗教が関係した内容の歌詞なのかと思いました

キリスト教で,堕落した天使=悪魔,ルシファーといった「堕天使」を連想したからです。

でも曲調が明るく,頭から離れないメロディですし,歌詞も宗教とは全く関係ありませんでした。

 

歌詞に「天使 Angel」は出てきます

 

同級生の女子は雪の結晶のように純粋なAngelだった

近づくことができなかった

何年か過ぎてグラビア雑誌(エロ雑誌?)の中綴じに僕のAngelが載っていた

血の気が引いた

僕の想い出が 売られている

 

そういった内容の歌詞です

Centerfoldとは中綴じという意味です。

これを歌詞の内容から「堕ちた天使」という邦題をつけた人は天才的だと思います。

 

 

 

 

J・ガイルズ・バンドは J・ガイルズを中心として結成されたバンドです。ブルースをロック的なスタイルで演奏するブルース・ロックのジャンルで実績を上げてきました。エレキ・ギターの即興がブルース・ロックの魅力を特徴づけていましたが,音楽性も変化していきました。オーソドックスなサウンドに移行し,バンドは商業的には成功しましたが産業ロック1)に走ったとの批判も受けました

 

堕ちた天使(1982)Centerfoldは,J・ガイルズ・バンド最大のヒット曲であり,1982/2にビルボードホット100の1位,日本の洋楽チャートAll Japan Pop 20でも1982/5に1位になっています。いい曲です。

 

1)産業ロック

音楽評論家の渋谷陽一氏が「ロッキング・オン」という音楽評論誌で「産業ロック」という言葉を使ったのがこの言葉の始まりだといわれています。

ロックといえばもともと若者が体制に対する反乱の姿勢を持つ音楽であるという認識がありました。

そしてさまざまな音楽的実験が行われ,表現が広がり発展してきたと理解しています。

 

1970年代後半から80年代にロックバンドがスタジアム級の大人数の入るコンサートを行うようになりました。

レコード会社が若者の特権だったロックをショービジネス化していくようになったことを批判して「産業ロック」という象徴的な言葉を使ったのかと思います。

代表的なアーティストして今月のこのブログでも取り上げたボストンやフォーリナー,TOTO,ジャーニーなんかが産業ロックの代表としてあげられています。皆いい曲を出しているグループですよね。


 

産業ロックだろうが何だろうがイイ曲はイイ

ジャーニーには素敵な曲が沢山ありますね。

 

”Open arms” この曲は「堕ちた天使」と同じ頃の曲で,ビルボードホット100の2位になり,All Japan Pop 20でも1982/4に7位になっています。

 

 

"Only the Young" 映画 ビジョン・クエスト/青春の賭け(1985)の挿入歌です。この映画はレスリングを題材にしたおきまりの青春映画ですが,こういう青春映画は自分の若い頃を思い出させてくれるので好きです。この曲も非常にイイ曲です。

 

さきの2023 WBC(WORLD BASEBALL CLASSIC)でもTBSの中継ではジャーニーの"Separate Ways"が使われていましたね。なんでSeparate Waysなのかは不明です。闘志みなぎる曲調だからですかね。