リドリー・スコット監督
前回「トップガン」とのつながり
「トップガン」の監督トニー・スコットの兄,リドリー・スコットが監督だということ
ヴァイパー,ダラス船長役のトム・スケリットつながりでエイリアン(1979)です。
主人公はリプリー役のシガニー・ウィーバーですが,タイトルクレジットの最初に表示されるのはトム・スケリットでした。
宇宙貨物船ノストロモという閉鎖空間の中で乗組員が未知の生物(エイリアン)に次々に襲われていくSFホラーです。
実際にはエイリアンはなかなか顔を出しません
このあたりはジョーズ(1975)の鮫のようです
まず,ケイン(ジョン・ハート),ヘルメットにエイリアンの幼虫がへばりつくのが映画開始から35分
ケインの腹をやぶって血まみれの幼虫(さなぎ?)が登場する衝撃的なシーンが57分
その後は10分間隔くらいで犠牲者が出ます
まずブレット。猫のジョーンズを探して脱皮した皮を見つけますが,エイリアンがこんなに巨大化しているとは知るよしもなく犠牲二人目
続いてダラス船長。火炎放射器を武器に通風孔に入っていきますが三人目の犠牲者
科学主任のアッシュが何も調べられないことに苛立ったリプリーはメインコンピュータの「マザー」に直接Loginし,質問を投げかけます
その時の「マザー」のディスプレイが小さい
しかもモノクロ(Green Display)
たぶん1970年代には液晶とかカラーディスプレイとかの発想はなかったのでしょうか。この辺にこの映画の時代を感じます。
ついでにいうと宇宙船の中で喫煙なんて今の世の中から考えればあり得ないことですね
マザーに記録された特別指令937
「生命体を持ち帰ることが最優先
その他のことは後回し。乗員は消耗品」 といった意味でしょうか
アッシュはアンドロイドだったのですがこの指令を守るべくリプリーに攻撃してきます。
リプリーの口に押し込もうとしたのが「平凡パンチ3)」だということは有名ですね
この後,アッシュはぶち壊されますが,白い血液?だったり,体内がバルーンのついた管類でできていたり1970年代にしては良くできていたと思います。
その後,ランバート,パーカー供に犠牲になり,リプリーだけが生き残ります。
ディレクターズカットの「エイリアン」では救命艇に乗り込む前に繭にされたダラス船長とブレットを見つけるシーンがありましたが,この場面は劇場公開時にはありませんした。
繭になった人間に卵からの幼虫が入り込み腹を突き破ってさなぎになるのなら卵はどこにあるのでしょうか。
その辺がディレクターズカットの疑問といえば疑問です。
救命艇に乗り込み冬眠の準備をしているリプリーは機械類に紛れて目の前にいるエイリアンの頭に気づきません。
われわれも同じです。見せてくれるよねェ。最初に見た時は飛び上がりそうになりました。
この映画が与えたエイリアンや宇宙のイメージの影響は大きいです
鳥山 明の「Drスランプ」にこんなキャラクターが出てきましたが,これはエイリアンを見て作ったキャラではないでしょうか
1) リドリー・スコット
ブレードランナー(1982),ブラック・レイン(1989),テルマ&ルイーズ(1991),G.I.ジェーン(1997),グラディエーター(2000),ハンニバル(2001),ブラックホーク・ダウン(2001),アメリカン・ギャングスター(2007),ワールド・オブ・ライズ(2008),ロビン・フッド(2010)といった結構おもしろい映画をたくさん監督しています。「エイリアン」のスピンオフで前日譚のプロメテウス(2012)も監督しています。
個人的にはオデッセイ(2015)が好きです。火星に1人取り残されたワトニー(マット・デイモン)が植物学者としての知識と残されたものだけで生き延びていきます。1970年代の洋楽が流れるのも良かった。最後は地球に帰還しますが,グロリア・ゲイナーの“I will survive”が流れたのはしびれました。またこの映画公開と前後してデビット・ボウイが亡くなったのですが,劇中にデビット・ボウイの“Starman”が流れた時は感じるものがありました。
2) シガニー・ウィーバー
「エイリアン」が最初に出演した大きな映画でしたが,その後もゴーストバスターズ(1984)などに出演し順調な俳優人生を送っています。マイク・ニコルズ監督ワ-キング・ガール(1988)では敵役もうまく演じていて,ゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞しています。でもやはりエイリアン2(1986)をはじめとするエイリアンシリーズでしょうねぇ。エイリアン2ではこの手の映画としては珍しくアカデミー賞主演女優賞にノミネートされています。
3) 平凡パンチ
1964年創刊の週刊誌でファッション情報,セクシーグラビアを扱い,エロティックな写真の掲載もあったため,青少年に人気がありました。そのほかにも五木寛之の「青年は荒野をめざす」は平凡パンチに連載されており,エロだけの週刊誌ではありませんでした。
平凡パンチに対抗してできたのが集英社の「週刊プレーボーイ」です。