ジョン・レノン

 

ジョン・レノン1)の「イマジン」は1971年に発表されましたが,日本で一番売れたのは年が明けた1972年1月でした(All Japan Pop 202より)。「ダーティ・ハリー」は1971年アメリカ公開1972年日本公開でした。かなりのこじつけです

 

1972年は札幌オリンピック,沖縄返還,日中国交回復,それに伴うパンダの来日といった日本にとってはうれしいニュースが多い年でした。50周年を記念して今年(2022年)はいろいろ行事も行なわれたようです。

ユーミン(松任谷由実)のデビューもこの年でした。50周年記念のCD BOX,手に入れました。この頃はまだ荒井由実ですね。

 

「イマジン」は全米ビルボードでは1971/11に3位が最高位でした。

その時の1位,2位は「悲しきジプシー」と「黒いジャガーのテーマ」

日本では「マミーブルー」と「スーパースター」のために1972年1月第2週が最高位で2位だったようです(All Japan Pop 20)。

 

1972年の洋楽で1年を通したランキングに入っているのはAll Japan Pop 20では

1位から

ゴッドファーザー愛のテーマ(ニ-ノ・ロータ)

アローン・アゲイン(ギルバート・オサリヴァン)

名前のない馬(アメリカ)

母と子の絆(ポール・サイモン)

ブラック・アンド・ホワイト(スリー・ドッグ・ナイト)の順でした。

 

この時代の洋楽メディアはもっぱらラジオと雑誌であり,All Japan Pop 20はレコードの売り上げやらリクエストやら文化放送の独自のランキングでしたのでだいぶミーハーに偏ったものだったようです。

 

名曲,ブラック・ドッグ(レッド・ツェッペリン),ハイウェイ・スター(ディープ・パープル),孤独の旅路(ニール・ヤング),ダイスをころがせ(ローリング・ストーンズ)はベスト20以下でした。イマジンはベスト40にも入っていません。

 

ランキングに入っていないのは悔しいのですが,この曲はどう考えても名曲です。

アメリカの放送音楽協会が選んだ「20世紀を代表する100曲」(Top 100 Songs of the 20th Century)ではNo.1に位置付けられています。

 

この曲がクローズアップされるようになったのは1980/12,ジョン・レノンが銃殺されるという出来事があったからかもしれません。

もうすぐジョン・レノンの命日がやってきます。

 

 

 

 

Imagine there's no Heaven

It's easy if you try

No Hell below us

Above us only sky

Imagine all the people

Living for today...

 

Imagine there's no countries

It isn't hard to do

Nothing to kill or die for

And no religion too

Imagine all the people

Living life in peace

 

You may say I'm a dreamer

But I'm not the only one

I hope someday you'll join us

And the world will be as one

 

Imagine no possessions

I wonder if you can

No need for greed or hunger

A brotherhood of man

Imagine all the people

Sharing all the world

 

You may say I'm a dreamer

But I'm not the only one

I hope someday you'll join us

And the world will live as one

 

 

歌詞の中の  ”Imagine there's no countries”,  ”And no religion too”

想像してごらん,国なんて無いんだと,宗教も無いと

 

この曲の歌詞はジョン・レノンの理想主義的な部分が凝縮しており,偽善的,非現実的,左翼思想に満ちあふれた歌だと批判的な意見もあります。

発表された当時はまだベトナム戦争の真っ最中であり,反戦のメッセージを込めた歌なのだと思います。またこの歌と前後してHappy Christmas(War is over)も発表しています。

 

その後,ベトナム戦争が終わり,冷戦が終わってソ連が崩壊し,この時代から50年が経過した今も未だに地上の争いはなくなっていませんね。

ウクライナでの戦争や北朝鮮のミサイル発射,台湾問題を見ていると50年も前にジョン・レノンは”I'm a dreamer”だということを気づいていたんじゃないかと思ってしまいます。

 

”All the people living life in peace”     現実になって欲しいものです。

 

 

1)    ジョン・レノン
偉大なるジョン・レノンについて僕が語るのは気が引けますので簡単な略歴のみ。
ビートルズのメンバーであり,ポール・マッカートニーと組んで多くのビートルズナンバーを作り上げています。1970年,ビートルズが解散以後も「イマジン」をはじめいい曲を作っています。マインド・ゲームス Mind Games(1973),真夜中を突っ走れ Whatever Gets You Thru The Night(1974),夢の夢 #9 Dream(1974),スタンド・バイ・ミー Stand By Me(1975),スターティング・オーヴァー (Just Like) Starting Over(1980),ウーマン Woman(1981)
一時,音楽活動を休んでいた1977年から1979年には夏になると軽井沢を訪れていたようです。
1980/12/08,ニューヨーク,マンハッタンの自宅アパート前で銃殺されます。犯人はレノンの狂信的ファンであると言われていますが,反戦運動などの影響のあるレノンを暗殺したなどの憶測も流れました。

2)    All Japan Pop 20
1967~1984まで文化放送などで流れていた洋楽ヒットチャートです。
モンキーズの「スター・コレクター」の前奏が流れる中,北は北海道から南は九州沖縄まで全国34社,111局の民間放送局を結んでお送りする・・・で始まります。
リクエスト,民放ディレクターが組織するPop 20選定委員会によるランキング,全国主要レコード店のレコード売り上げからコンピュータで集計したものを基にしたヒットチャートです。わざわざ,「コンピュータで集計した」と強調するあたりが時代を感じます。まだPC,いわゆるパーソナルコンピュータのない時代から放送されていました。