バリー・レヴィンソン1)監督

 

「ショーシャンクの空に」,「グリーンマイル」との共通点は時代背景が1920~1930年代で同じだと言うこと

アメリカを舞台にした野球選手の物語です.

 

 

この映画の主人公,ロイ・ハブス(ロバート・レッドフォード2))は並外れた才能の持ち主の野球選手です。

「いつか人が僕を見て,球界最高の選手だ!と言うんだ」希望に燃えてシカゴへ旅立つ途中にベーブ・ルースを思わせるスラッガーから3球3振を取ります。

 

その後,不幸な事件に遭遇し,十数年間も回り道して今度は打者として復活します。

投手であり,強打者。

 

エンゼルスの大谷翔平選手を見ているとロイ・ハブスを思い出します。

公開当時この映画を見た時にはこんなスーパースターはあり得ないと思っていましたが,大谷選手は現実に投手と打者,同時にこれをやってのけ,ベーブ・ルースの記録を更新しています。全く信じられない存在です。同じ日本人としてとても誇らしいかぎりです。

 

バーバラ・ハーシー演じる黒いドレスの女やキム・ベイシンガー演じるメモはロイを不幸にしていきますが,グレン・クローズ3)演じるアイリスは「あげまん」。

 

 

 

あと一勝すればリーグ優勝という時に入院してしまったロイ。

野球の記録全てを更新する気でいた自分が浮ついて撃たれてしまい夢を実現できず,またその古傷で入院する羽目になってしまったと自虐的なロイにアイリスが言った言葉

"I believe we have two lives ... the life we learn with, and the life we live with after that"

「人生は二つある。学ぶ人生とその後の人生」

 

「あんたはあの事件で人生の歯車が狂ったけれど,ここまで立ち直って子供たちに影響を与える存在になったんじゃない。記録がなんだって言うの,もっとしっかりしなさい」ってかんじでしょうか。

 

大谷選手にもアイリスのような女性と出会って欲しいです。

 

 

 

ロイ・ハブスの最後の打席。

ワンダーボーイのバットが折れる。

かわりのバット(サボイスペシャル)で打つ。

ボールが照明に当たり次々と照明がショートして火花を放つ中,スローモーションでダイヤモンドを走るシーン。

なんとも美しくEmotional,素晴らしい。

 


ランディ・ニューマンの音楽もすごく良くてその旋律を耳にすると最後の場面が頭の中に浮かんできます。

アカデミー賞作曲賞にノミネートされています。
 

 

野球に関連した映画は沢山あります。

古くはゲイリー・クーパー主演の打撃王(1942)

がんばれ!ベアーズ(1976)

フィールド・オブ・ドリームス(1989)

プリティ・リーグ(1992)

マネーボール(2011)などなど

「フィールド・オブ・ドリームス」もすごく良かったけれど自分的にはこの「ナチュラル」がベストです。

 

1)バリー・レヴィンソン

グッドモーニング,ベトナム(1987),バグジー (1991),ディスクロージャー (1994),スリーパーズ(1996)などの監督ですが,レインマン(1988)ではアカデミー賞監督賞を受賞しています。

 

2)ロバート・レッドフォード

明日に向って撃て!(1969),スティング(1973),華麗なるギャツビー(1974),華麗なるヒコーキ野郎(1975),大統領の陰謀(1976),アンカーウーマン(1996)などに出演していますが普通の人々(1980)では監督をつとめ,アカデミー賞監督賞を受賞しています。

個人的にはジョージ・ロイ・ヒル監督と組んだ「明日に向って撃て!」,「スティング」,「華麗なるヒコーキ野郎」が好きだけれど,シドニーポラック監督の「コンドル (1975)」も好きな映画です。

 

3)グレン・クローズ

ガープの世界(1982),再会の時(1983),ナチュラル(1984)この3作品でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされている演技派の女優です。その後,主演した危険な情事(1987)では主演女優賞にノミネートされています。「危険な情事」はすごかった。常軌を逸したストーカー女。鬼気迫る怖さ。この映画を見た後,「ナチュラル」のアイリスを見るたびにあの女を思い出してしまうのでした。頭の中では演技だとわかっていますけど・・・。でもこ「危険な情事」があったから101(1996)のクルエラ役が回ってきたのかも