フランク・ダラボン1)監督

スティーヴン・キング原作

 

まずはこの映画から取り上げます。

1995年アカデミー賞作品賞にノミネートされましたが受賞は「フォレスト・ガンプ/一期一会」でした。結局この映画は無冠に終わっていますが,一般人の評価は高く,IMDb2のIMDb Top 250 MoviesでのランキングではNo.1です。

 

無罪にもかかわらず妻と不倫相手の殺人容疑で終身刑を受けた男主人公アンディ(ティム・ロビンソン3))。刑務所では理不尽な仕打ちを受け,失望の連続だったが希望を持ち続け,最後にはいいことが起きる。見終わった後の爽快感が半端ない作品。

名作です。

 

この映画の中にはいい場面がいくつも出てきます。

その1

屋根の塗装で刑務主任の節税に力を貸しその見返りに仲間にビールを提供させた場面。

We sat and drank with the sun on our shoulders and felt like free men.

「俺達は座って,太陽を浴びてビールを飲む。自由な人間のようだ。」

囚人がビールを飲むなんで考えられない。本当にうまそう。

 

その2

アンディがモーツァルトのフィガロの結婚4)を刑務所全体に音量MAXで流した場面。

囚人たちは何の歌かは知りません。でもこの歌を聴いて気持ちよかったはず。

And for briefest of moments every last man at Shawshank fell free.

「そしてほんの一瞬ショーシャンクのみんなが自由の気分を味わった」

 

その3

モーツァルトを流したおかげでアンディは懲罰房に入ることになりました。

懲罰房から出たアンディがいうセリフがまたいい。

They can’t get that from you…haven’t you ever felt that way about music?

「音楽は決して人から奪えない」

 

アンディはずっとひどい目に遭っていましたが希望を持って必死に生きてきました。

レッド(モーガン・フリーマン5))に宛てた手紙

Hope is a good thing, maybe the best of things, and no good thing ever dies.

「希望は良いものだ。多分最高のものだ。素晴らしいものは決して滅びない」

 

 

 

 

 

この映画の原題はThe Shawshank Redemption

Redemptionの意味は刑務所が舞台なので贖罪,つみほろぼしなのかと思いましたが,償還(債務の返済)という意味もあります。最後まで見ると19年もの間刑務所で奪われた人生を返してもらったと取りたいです。

 

 

1)フランク・ダラボン

アメリカの映画監督,脚本家。

ほかの主な監督作品,グリーンマイル,これもスティーヴン・キング原作ですごくいい映画でした。

 

2)IMDb

Internet Movie Databaseの略で映画やテレビドラマのデータベースです。映画の一場面の写真が数多く載っており,監督や俳優の名前をクリックすると一覧で関係している作品に行き着きます。このブログでは主にここに載っている画像を拝借しています。

 

3)ティム・ロビンソン

ほかの主な出演,トップガン(1986)マーベリックがミグ機相手に戦った時,グースのかわりに後席に乗っていた俳優で,この時はすごく背が高いという印象だけしかありませんでした。

ミスティック・リバー(2003)クリント・イーストウッド監督。この映画でアカデミー助演男優賞を受賞しています。

 

4)フィガロの結婚

モーツァルトのオペラ。当時はオペラの本場はイタリアであり、ドイツ語のオペラが受け入れられることは難しかったようです。映画「アマデウス」参照。

このオペラは伯爵家に使仕えるフィガロと伯爵夫人の侍女スザンナの結婚の日の一日の物語で当時の貴族社会を批判的に描いています。そのため刑務所の体制を批判するためにこの曲が選択されたとする説がありますが僕としては単に美しい曲だから選択されたと考えたいです。

 

5)モーガン・フリーマン

最初に注目したのはドライビング Miss デイジー(1989)のドライバー役。心温まる映画でした。

ロビン・フッド(1991)のムーア人役

許されざる者(1992)では主人公の友人で保安官に拷問で責め殺される役

セブン(1995)の刑事役

アウトブレイク(1995)の陸軍准将役

ディープ・インパクト(1998)ではアメリカ大統領役

ミリオンダラー・ベイビー(2004)の元ボクサー役でアカデミー助演男優賞受賞

インビクタス/負けざる者たち(2009)のネルソン・マンデラ役

クリント・イーストウッドと組んだ映画が多いですが,たくさんのいい映画に出演しています。

最近の映画と昔の映画を比べると顔の黒子がだいぶ増えたことがわかります。