プロローグ
アイドル16(シックスティーン)。
2012年1月14日現在、国民的アイドルグループとして若者を中心に圧倒的支持を受けている。
しかし、皆さんはご存じだろうか?
彼女たちがここまで人気を得るまでになるには、長く険しい道程があったことを。
そして、アイドル16の大ヒットの裏側には、数々の難事件を解決してきた無名のアイドルの存在が探偵がいたことに―。
時は遡ること、今から7年前の2005年8月のあれは暑い夏の日の出来事。
当時13歳。中学1年生だったどこにでもいる普通のミステリオタクの少女がいた。
少女の名は、横溝碧依(よこみぞ・あおい)。
かの有名の昭和の探偵小説の大家横溝正史と偶然にも同じ苗字(血縁関係はない)ということもあってか、小学5年生頃から当の横溝は勿論のこと、内外の推理小説を読破し、将来の夢は「名探偵」になることと小学校の卒業文集に堂々と書き周囲から変わり者扱いを受けていた。
そんな少女だから、勿論その時点でまさかアイドルになるとは周囲は勿論のこと本人すらも想像すらしていなかった。
彼女が後の「国民的アイドルグループ」のオーディションを受けることになったのは、ヲタクな彼女にも一応はいた幼馴染の親友の少女の影響だった。
その親友の名は、深田風果(ふかだ・ふうか)。
当時人気絶頂だった女優深田恭子と偶然にも同じ苗字(勿論血縁関係はない)ということもあり、幼いころから私は「大女優になる!」と言って周囲を騒がせていた。
そして、事実碧依とは違い彼女には幼いころから容姿端麗で常に周りの男子たちからちやほやされる一種のカリスマ性があった。
だから、そんな彼女があの暑い夏の日、たまたまティーン雑誌で見つけたアイドルグループ1期生オーディション要項を碧依に興奮気にみせ、
「ねえ、碧依。これみてよ。あの名プロデューサー青砥紀人(あおと・のりと)が新しいアイドルグループ創るんだって!あたし、このオーディションに受けようと思うんだけど!」
と、言ってきても特に驚きはなく目線は風果ではなく昨日買ってきたばかりの推理小説である。
「ねえ、聞いてる?また難しそうな本ばっかり読んで!あたし、アイドルになるかもしれないんだよ!」
そんな風果の大声に耳を塞ぎながらも、碧依は一瞬本から目をあげて、
「うるさいなあ。今いいとこなんだから。あんたには死んでもわからないでしょうね、この本の良さが。それとアイドルになるなら勝手になればいいじゃん?私の知ったこっちゃないよ」
「ぶー。相変わらず冷たいんだから。親友の一大事にさあ」
「前にも言ったでしょ?本読んでる時はよほど大事な用事の時以外は話しかけないでって」
「だから、大事なことだから話しかけたんじゃん?」
「それはあんたにとって大事なことでしょ?あたしにはそんなことより、今のこの本を読むことのほうがよほど大事なんだよ」
「この変人!たまにはファッション誌の一つでも読んで、おしゃれぐらいしなさいよ!」
「はいはい、用件がそれだけなら早くお帰り願えます?まあ、あんたがアイドルになれるおう親友として願ってるからさ。はい、帰った、帰った」
碧依は、風果をそううっとおしげに追い払う仕草をすると、すぐに目線を小説にやる。
すると、なぜか風果は普段の彼女らしくないしょんぼりした様子になり、
「・・・ねえ、碧依。ほんというとあたし、自信ないんだ。このオーディションに受かる自信がさ」
碧依はこのいつも天真爛漫な親友らしからぬ態度を横目でみると、彼女なりに気がとめたのかこう一言。
「は?あんたあんなに学校で男子からも女子からもモテモテじゃん?いまさらなにいってんだか」
「・・・そうだけど。でも井の中の蛙てこともあるじゃん?いくらクラスの、学校のマドンナといってもここ田舎だよ?都会にいったらそれこそあたしよりおしゃれで可愛い子なんていっぱいいるんだからね!」
なら、こんな田舎でも地味眼鏡ヲタク女子といわれてる私の立場はどうなる!という言葉を碧依は押し殺し、
「まあ、そうかもしれないけどさ。あんたはこんな田舎だけど一応その中でも美人で通ってるんだし、受けてみるだけ受けてみれば?将来の大女優さんがこんなとこで躊躇っててどうするんだか」
「・・・でもさあ、あたし都会とかいったことないべ?あたし東京みたいな大都会こええんだ」
風果はこんな時だけお国訛りが出るという特異な子だった。
そんな風果をみて、碧依はわかったわかったというように、
「ようするにこういうことか?あたしに一緒に付き添いで東京行ってくれと?まあ、東京には神田の古本屋街とかあるし付き合ってあげてもいいけど?」
風果はしかし、さらに一言こう付け加えた。
「ほんとに?いいの?じゃあ、ついでだから碧依も一緒に受けようよ?あたし一人で受けるのなんか心細いしさ」
まえがき どうも。ハリーです。今回また小説を書くことになりました。今回の作品もまたミステリであることはそうなんですが、もう一つ自分的に書きたいテーマがみつかりまして、それが「アイドルが探偵をしたらどうなるのか」というテーマでした。そこで自分の好きなAKB48をモチーフに「アイドル16」というグループを作りまして、時期も多少のずれは(まあ、意図的になんですが)あるもののAKB創設時の2005年から物語を始め、彼女たちがアイドルとして成長しながらも一方では難事件を解決していく・・・という一風変わった物語をやってみることにしました。一部AKBの歴史と似たところはありますが、それは多分最初だけで徐々にこちらのオリジナルアイドルグループ「アイドル16」として独立していくと思いますので末長く見守って下さると幸いです。あと、今4話の途中まで書いてるんですがこの物語最初は全然ミステリじゃないです。物語世界の構築を最初にしておきたかったので、シリーズの第1弾はいつ事件が起こるんだとやきもきされる可能性もありますが、まずは彼女たちの成長物語にしばらくの間お付き合い願えると幸いです。シリーズ化を前提として書いているので、できるだけ長く続けられるよう頑張ります!最低でもシリーズ第1弾はここ1カ月のうちには完成させて、皆さんの感想を伺えるようにしたいですね!
では、今日はこの後第1章も載せるので事件は起きませんが、とっかかりの部分を多少なりともお楽しみ頂けますように。
























































































































