大型貨物自動車に追突され、炎上した軽四乗用車に乗車中の被害者を救うことはできなかったのですが、消火作業中の消防隊員、現場で他車や歩行者の安全確保のための警察官が一生懸命現場整理をしている時に現場保存中の婦人警察官が、「野次馬と思っていた成人男性2人が『爆発せんで良かったなあ。』と会話しているのを聞きました。何を運んでたんでしょうか」と報告してきました。それを聞いて『何を運んでいたのか?』と疑問に思い、加害者の大型貨物車は事故現場で加害者を現行犯人逮捕したときに積み荷も含め差し押さえていたので調べたところ、ドラム缶よりやや小さめだが、同じような形をしたオレンジ色のポリ容器に缶に約100リットルほど液体が入っているものが20缶ほど、しっかりと固定されていましたが、積まれていました。

 車内に送り状があったので品名を確認すると、初めて聞くような品名の液体でしたが荷主が『化学製品』を作る会社で、その液体は『シンナー同等の危険な液体であったことが判明し、現場に来た関係者が「爆発しなくて良かった。」と言った理由がわかり、同時に、消防法の規定にある黒字に黄色文字で『危』と記載された注意看板を取り付けているかを確認するも、取り付けていなかったが確認できました。運転者は勿論のこと、死亡事故を起こしたことで現行犯逮捕し、加害車両は積み荷にも含め逮捕現場における差し押さえをして、加害者側の手の届かないところに保管し、時間を掛けて車両見分や取調べをじっくりとすることにしました。更に、加害者側の職員と思われる者の「爆発しなくて良かった。」の一言の理由に運送会社の職員を確認していわゆる荷物配送における『送り状』などを確認し、書類のコピーを持って危険物の運搬における『危』の表示義務を定めた『消防法』を所管する総務省の神戸事務所に赴き事件の概要を説明し、運転者だけで無く法律等の両罰規定を活用し、運送会社も併せて検挙したい旨相談すると、総務省の担当者も新聞で事故のことを知っており、「この1年、全国で6件の事故等で、車両火災が伴う交通事故が発生しており、危惧していました。警察で積極的に検挙してくれれば危険物運搬における警鐘となります。但し、現場を管轄する消防署長から『告発状』の提出を求め、事件記録と一緒に検察庁に事件を送付して下さい。」との教示を受け、その帰り管轄区内にある消防署を訪ねて消防署長に事故の概要と、消防法で運送会社も両罰規定で事件化したい旨を伝え、『告発状』の提出をお願いしたところ、消防署長も順法精神が欠如した運送会社に呆れ、快く応じてくれました。その後、署の生活安全課員の応援も得て事件送致しました。