私が警部補に昇任し、但馬地方(日本海側)の豊岡警察署に異動となって、刑事課の強行盗犯係で勤務する平成4年の年明け直ぐの1月初め、JR豊岡駅近くにある某新聞社の豊岡支局で軽く新年初出の会(ちょっとした飲み会)が開催され、その事務所働く女性事務員が、会がお開きとなってから、ご主人が支局まで奥さんを車で迎えに来ました。そして、自宅(東方)方面に向かい始めたところ、前に「若者3人」が乗る乗用車が走っており、その車の後について走っていたところ、道路の舗装が粗末な上、でこぼこであったため車が上下し、「若者3人」が乗る車に前照灯でパッシングするような形となり、円山(まるやま)川の橋に差しかかったところで、前車が道を塞具ような形で停車して、通行不可能な状態とし、3人が後続車からご主人を引きずり出し、3人で橋の欄干に押さえつけて、ビンタしたり、胸ぐらを掴み「川に放り込むぞ!」と脅すなどの暴力行為を敢行したのです。直ぐに助けを呼ぶにも、平成4年は携帯電話も普及しておらず、車に残っていた奥さんが、円山川に架かった橋を渡って少し行ったところに駐在所があることを知っていて、助手席から運転席に移り、車を運転して駐在所まで助けを求めに走ったのです。そして、駐在所からの通報で、駐在勤務員他、パトカー、交番の勤務員らが現場急行し、3人を『暴力行為等処罰に関する法律違反で現行犯逮捕しました。
3人は共犯なので主犯格は豊岡署に留置し、共犯の2人は近隣署へ分散留置とし、勾留請求をしました。その3人は間もな成人式を迎える身、つまり、20歳になったばかりの者で、その中の一人の親がお金持ちで、「同級生が成人式に出席する中、息子が留置場の中で過ごすのは忍びない。」と言って、弁護士を雇って検事に掛け合い、保釈金を支払って「警察、検察庁の呼び出しには応じる(そんなことは当たり前じゃ)ことで、一人だけ、保釈されました。あとの2人は拘留が続きますので、拘留中の2人に会わせ、人数の少ない田舎の署でしたが一気に調べ、検察庁に暴力行為について送致しました。
そのような流れで調べる課程で、「被疑者らの行った悪質な行為を行為をこの程度で終わらせて良いのか?」と考え、交通課交通指導係に赴き、道路交通法第103条第1項8号の『免許を受けた者が、自動車等を運転することが著しく道路における危険を生じさせる虞(おそれ)があるときに該当し、公安委員会が運転免許の取り消し、停止ができる。』規定があることを思い出し、交通指導係を牛耳っていた年配の巡査部長に話をすると、「これまで、やったことが無いけど、やりましょう。やりましょう。」と積極的で、直ぐに本部免許課と連絡を取ってくれ、必要書類確認すると共に書類をそろえるのも手伝ってくれ、刑事事件で免許停止処分も行うことができました。
今では、あおり運転など暴力的な行為も違反対象になっているのですが、運転行為中に自分勝手に腹を立てて、暴力行為を行う者に対し、事故や違反以外でも運転免許の停止等ができることを覚えておくと、結構、役に立つと考えます。