警察官も一般企業と同様にそれぞれ担当する課によって業務内容に違いがあり、個人それぞれに合う・合わない、興味がある(好き)・興味が無い(嫌い)などの違いがあります。しかし、適材適所を心掛けて職員を適正に配置をしようと思っても難しく、なかなか困難であります。中でも警察官が最も嫌がる仕事は『交通事故捜査係』でないかと思います。交通事故は、昼、夜、及び天候に関係なく、遠慮無く発生します。そのため、交通事故捜査係の捜査員が昇任などで警察本部、及び他署への転勤となった場合に後釜を誰(同階級)にするか、悩むことになります。
私が平成2年の警部補試験に合格し、その年の秋の異動で兵庫県北部の豊岡警察署に異動し、地域課(交番。駐在所)の本署での責任者として勤務しました。そして、半年後の春の定期異動時に私は内部異動で刑事課勤務となったのですが、交通事故捜査係の巡査部長が県警本部への転勤内示があり、交通事故捜査係の転勤する巡査部長の後釜を誰にするかが、問題となりました。そのような時に、数ある駐在所の巡査部長から在署の私の席に電話があり、「係長、今回の異動で私を駐在所から(署内異動で)」出してもらえませんか、駐在所は、公と私の区別が無いから出たいんですわ。」と怒ったような口調で要求してきたのです。この巡査部長は県警本部交通部高速隊に勤務していて巡査部長試験に合格し、豊岡署昇任配置となり、駐在所で勤務していたのです。駐在所勤務は、やたらと地域住民が訪ねて来るというものではありませんが、家族とともに駐在所で暮らし、主人の警察官がパトロールなどで出ておれば、奥さんが訪ねてきた一般人に、地理教示(案内)等軽い相談であれば対応し、公権力の行使すべき事案であれば本署から無線で駐在所に戻るよう連絡するか、パトカーを向かわせるなどして、対応します。
また、駐在所の勤務員は地域住民と上手に付き合う必要があり、この駐在所の警察官は、そうした住民との付き合いが煩わしく感じる警察官もいる。それに比べ、三交替制のJR豊岡駅前交番であれば巡査部長の自分が箱長(責任者)として勤務ができて、雑用的なことは部下の警察官がしてくれる。丁度、この時の異動辞令にJR豊岡駅前交番の箱長の巡査部長1名が本部へ転勤する辞令が含まれていたことを知っていたようで、その後釜を狙って自己アピールでした。私自身、「この巡査部長は大した仕事もしないくせに、厚かましさは人一倍やな。」と思いから、腹立たしさが表に出た電話対応であったため、その対応を横の席で聞いていた豊岡警察署地域企画の係長が私の腹を立てた対応に気づき、電話を終えると、「どうしたん?」と聞いてきました。私は、「たいした実績も挙げていないのに駐在所は公私の区別が無いから出してくれ。」と言ってきたことを説明しました。すると、その企画の係長は間髪入れず「そんな奴は交番に出しても一緒に勤務する部下、同僚が迷惑するから、丁度、交通事故捜査係の巡査部長が本部に転勤するので補充せなあかんし、そいつは高速隊で事故処理も経験してるから、交通事故係に入れたったら良いのと違う。」と助言してくれたました。私は、「それは良い考え!」と思い、直ぐに、その駐在所の巡査部長に電話し「駐在所から出したるわ。」と言ったところ、うれしそうに「何係ですか?」と聞き返すので「交通事故係や。」と答えると、「えーっ!」と驚愕し、少しの沈黙があって「ちょっと、妻と相談させてもらえませんか。」と電話を切り、5分程してから「妻と相談したのですが、もう少し駐在所管内の住民のために頑張ろうと決めました。」と取って付けたような情けない返答がありました。
こうした経験をした後、約10年後、警部に昇任して西宮署の交通二課長(事故捜査担当)に赴任した際、地域課の制服警察官(階級 巡査部長)が交替時に交通事故に関する引き継ぎ書類を直接交通第二課凝ってきたのですが、直接引き継ぎ書類を受けた交通事故捜査の担当者が書類確認し、足らずの部分があったのでその点を注意したところ、その地域警察官は、「それやったら、それで、最初から分かり易く説明せんかい。」などと怒鳴りだし、引き継ぎを受けようとした事故捜査係の専務員も引き下がってはいませんでしたが、大声で怒鳴り合っていると、別の事故で出頭してきた当事者への事情聴取の邪魔になるので、こうした警察官に対しては豊岡署の地域企画係長に教えてもらった手法を活用し、その文句を言う地域警察官に「あんた、名前は何ていうの?」と質問し、名前を聞くと、「次の異動時に事故捜査係に異動で欠員が出たら、後釜に貴方を事故捜査に引くから、助けてくれる?」と聞くと、「いや~」と愛想笑いをして、黙ってしまう奴が多いのが実情です。
要するに、大した仕事もしない癖に、文句だけ人一倍言うような警察官は、事故捜査係に配置するのがベストではないかと思います。