~第3巻「さいはての島へ」~

harryの雑談


魔法使いの最高位である大賢人ゲドの元に、一人の王子が相談に訪れた。

母国で奇妙なことが起こり始めたと言う。

他の地域からも似たような悪い知らせが届いていた。

魔法やまじないが効かなくなり、病気や飢饉が起きていると…。

賢人達は、長きに渡って多島海諸国を統べる王の不在、つまり政治の問題が災いの原因である、との意見であったが、

ゲドは根源的な世界の均衡が崩れはじめていると感じていた。

その災いの源を突き止め、世界の均衡を取り戻すべく、ゲドは行動を起こす。

古代の偉大な王の血をひく王子アレンとの出会いは単なる偶然ではない。

これまでの数々の冒険はゲド一人であったが、今回はゲドに忠誠を誓ったアレンと共に旅立った。

災いの渦中へと…。



この第3巻は、シリーズの中で最も娯楽性が低く、暗い雰囲気を持っていて、読みにくいかも知れません。

テーマが「生と死」だからでしょうか…。

物語の中でゲドはアレンに語りかけます。

その言葉は、作者のメッセージを代弁し、災いを招いた敵に立ち向かう過程で「生は死の中にこそあるものなれ」と伝えています。

ゲドともう一人の主人公アレンは、これまでの王子としての恵まれた環境とはかけ離れた世界を目の当たりにします。

さらには「死」を垣間見、自分の中の「闇」とも戦いながら成長して行きます。

そして、アースシーの伝説は現実となり、エンディングを迎えます。

また、この巻では、竜(ドラゴン)の登場が、この物語世界のスケールを大きくしており、後の4巻と6巻で、竜そのものに焦点が当てられ、テーマの大きさと深さに驚くことでしょう。


ではまた。