皆さんおはようございます
先日の記事で、東京ディズニーシーのアメリカンウォーターフロントにあるニューヨーク・デリで期間限定で復活中のマイルハイ・デリサンドをご紹介しました。
このニューヨーク・デリでは、ニューヨークの高層建築をテーマにしたマイルハイ・デリサンドのほか、ニューヨーク名物のルーベン・ホットサンド(単品950円、フレンチフライ・ソフトドリンクとのセット1,340円)やメルトサンド(単品850円、セット1,240円)などのグリル・サンドイッチも販売しています。
ルーベン・ホットサンドは、香ばしくグリルされた全粒粉のパンにコンビーフの塩味と脂の旨み、甘さと酸味のバランスの良いサウザンアイランドドレッシングと共にいただくコールスロー、トロリと溶けるチーズの組合せが美味しくて食べ応え満点ですよね
『スティッチ・ザ・ムービー!』(2003年)に登場する試作品625号を虜にしたルーベン・ホットサンドの起源については諸説あるようですが、「ニューヨークのサンドイッチ王」と呼ばれたアーノルド・ルーベン(Arnold Reuben, 1883-1970)が1914年頃に発明したとも言われています。
アメリカンウォーターフロントがテーマとするのはこの頃のニューヨークの街ですから、この説に従えば、ルーベン・ホットサンドは当時のニューヨークの最新トレンドのフードということになりますね
さて、このニューヨーク・デリの入口にこのような看板が掲げられています。
"You can Bank on the New York Deli!"
一番下を見ると、"J. P. MORGAN"(J. P. モルガン)なる人物の言葉のようです。
この J. P. モルガン、世紀の転換点のニューヨークに実在したアメリカ最大の銀行家で、今日のJPモルガン・チェース銀行の礎を築いたジョン・ピエポント・モルガン(John Pierpont Morgan, 1837-1913)のことです。
アメリカンウォーターフロントがテーマとしている20世紀初めのアメリカにおいては、巨大銀行の影響力というのは凄まじいものでした。
以前、東京ディズニーランドのワールドバザールで見ることのできる「ワールドバザール銀行」についての記事で紹介しましたが、1913年以前のアメリカ合衆国には、日本で言う日本銀行のような中央銀行という制度が存在しませんでした。
銀行業の健全性を担保する仕組みが十分ではなかったことから、当時のアメリカでは銀行の破綻が頻発し、金融恐慌もたびたび発生していましたが、そうした危機が起きた際に事態の収拾に当たったのは、モルガンのような民間の大銀行家でした。
特に1907年の金融恐慌に際しては、取り付け騒ぎが銀行システム全体に波及するのを防ぐために必要な資金を用意するため、モルガンは何とポケットマネーを投入することを誓い、他の大銀行家たちにも資金供出を呼び掛けて危機の進行を食い止める上で重要な役割を果たします。
さて、20世紀初頭のアメリカで最も影響力のあった銀行家であったモルガンの言葉ということで、ダジャレのように"bank"という単語が使われていますが、"bank on"は「~を当てにする、頼りにする」という意味の熟語です。
つまり、この言葉は、「ニューヨーク・デリは信頼できる!」と、モルガンがお墨付きを与えている、ということになります。
アメリカ最大の大銀行家がおススメするサンドイッチ、ぜひご賞味あれ