◆第007位 『グレイトギフト』

 評価:080/脚本:黒岩勉/テレ朝/木曜21時/出演:反町隆史・波瑠・佐々木蔵之介/全9話/平均視聴率:7.4%

 

 謎の殺人球菌、「ギフト」を発見した、病理医が、病院内、医療界での権力争い、謎の連続殺人に巻き込まれる、医療サスペンス。

 「ギフト」とは、未知の球菌であり、殺傷能力を持っているため、「ギフト」と使用して、殺人を犯しても、「殺人」と認定されず、証拠が残らない。

 本作の主人公、明鏡医大病院 病理部の病理医、藤巻達臣を演じるのは、反町隆史。

 争い事を好まないため、出世に興味がなく、同僚達からは、軽視され、優柔不断のため、妻及び、娘にさえ、軽蔑されている。

 病院内にて、謎の不審死が、続いたため、未知の球菌、「ギフト」を発見した。

 「ギフト」の存在を白鳥に明かすと、連続殺人に利用されることになる。

 病理部の検査技師、久留米穂希を演じるのは、波瑠。

 病理部における、藤巻の部下。

 合理的思考を持つが、人間味に欠けるため、変人の様な存在になっている。

 藤巻が、「ギフト」を秘密裏に培養していると確信すると、特効薬の開発のため、球菌の培養の協力を申し出る。

 久留米は、幼い頃、病気で、亡くなった、母の様な人を救おう考え、医師を志すが、父が、病気に倒れたことで断念する。

 専門学校に通い、検査技師の勉学中、父を看病するが、闘病の末に、父を亡くしている。

 久留米は、明鏡医大病院に勤務する以前には、国立理工学生命研究所にて、研究を行っていたが、その経歴を抹消して、明鏡医大病院の病理部に就職した。

 心臓外科医の教授、白鳥稔を演じるのは、佐々木蔵之介。

 天才外科医であり、数々の困難な手術を行い、患者の命を救う、素晴らしい医師。

 しかし、藤巻から、未知の殺人球菌の存在を知り、「ギフト」と名付け、「ギフト」を使って、理事長の奥野を殺害すると、理事長に就任する。

 白鳥が、医学会の頂点に立つために、「ギフト」を利用した、殺人を繰り返すのが、本作のメインストーリーである。

 藤巻の妻の真帆は、「拡張型心筋症」を抱えており、その手術が、可能なのは、白鳥のみであるため、白鳥に従い、「ギフト」の培養を続ける。

 元捜査一課の刑事、神林育人を演じるのは、尾上松也。

 一人娘を持つ、シングルファーザー。

 娘の琴葉が、「ファロー四徴症」を抱えており、その手術は、白鳥以外には、不可能である。

 藤巻に「ギフト」の存在を明かされたが、娘のために、白鳥に服従する。

 会員制の高級ラウンジ、アルカナムのオーナー、安曇杏梨を演じるのは、倉科カナ。

 「ギフト」で、最初に殺害された、元総理の愛宕の愛人であった。

 裏の社会に通じており、白鳥は、杏梨と共に、「ギフト」を量産して、闇の世界で、売り捌こうとしていた。

 本作の恐ろしさは、二つある。殺傷能力を有する、未知の「球菌」は、未発見の毒物と同様に、使用されても、気付かれない点である。

 二つ目は、白鳥の二面性である。

 白鳥は、医師としては、患者の命を救うために、奮闘するが、同時に、出世のため、簡単に人を殺害するのである。

 本作の終盤は、未知の球菌、「ギフト」を創造し、病院内に持ち込んだ、真犯人との対峙である。

 最終回にて、真犯人の正体が、明かされて、白鳥は、逮捕される。

 本作は、「絶対に捕まらない」殺人方法を手に入れた、人間の恐ろしさを描いた、医療サスペンスの名作であった。