◆第002位 『新空港占拠』

 評価:090点/脚本:福田哲平/日テレ/土曜22時/出演:櫻井翔・比嘉愛未・ソニン/全10話/平均視聴率:6.5%

 

 2023年1月期に放送された、同枠のドラマ、『大病院占拠』の続編。

 前作の主人公の武蔵が、前作と同様にテロリストに指名され、人質達の罪を暴く、タイムリミットサスペンス。

 前作のラストは、含みを残していたが、その謎が、本作にて、明かされてゆく。

 前作と同様、主人公の武蔵三郎を演じるのは、櫻井翔。

 神奈川県警捜査一課強行犯係刑事で、『大病院占拠』の後、刑事に復帰していた。

 刃物を持った、若い男性が、女性を襲っていたために、制圧するが、女性に注射を打たれて、意識不明となり、「かながわ新空港」に連れ去られてしまう。

 そして、謎のテロリスト、「獣」による、新空港占拠事件に巻き込まれる。

 三郎の妻、武蔵裕子を演じるのは、比嘉愛未。

 心臓外科医で、前作の終了後、横浜湾岸病院に勤務し、「シーマット」に選ばれている。

 銃創の有る、謎の男、大河に誘拐され、武蔵家の自宅で、大河の手術をする。

 娘のえみりは、逃走に成功するが、裕子は、大河に連れ去られる。

 前作と同様に、神奈川県警捜査一課特殊犯、SISの管理官、和泉さくらを演じるのは、ソニン。

 「大病院占拠」の発端となった、「P2計画」に深く関与していた責任を負い休職していたが、武蔵の要請によって、「かながわ新空港」の占拠事件対策本部の指揮官として、復帰する。

 「かながわ新空港」の所轄、横浜署の所長、川越和夫を演じるのは、片桐仁。

 さくらに対抗して、無理な命令を下し、複数の部下を負傷させた。

 横浜署の警察官、本庄杏を演じるのは、瀧内公美。

 横浜は、自分の街との誇りを持っていたため、当初、川越に従って、武蔵に反発していたが、武蔵と共に捜査をする内に、武蔵を信頼する、本作の武蔵の相棒である。

 三郎の姉、神奈川県議会議員、武蔵二葉を演じるのは、奥貫薫。

 二葉と三郎には、健一という、兄がいたが、三十年前に失踪していた。

 健一の失踪について、話があると、謎の人物に呼ばれ、三郎と共に、拉致され、「かながわ新空港」の人質の一人になってしまう。

 本作は、『大病院占拠』にて、「鬼」達が、配信によって、権力者達の悪事を暴いたのと同様に、「獣」達が、「かながわ新空港」の建設に関わった、権力者達の悪事を暴いて、配信する。

 三郎は、何故か、「獣」達に指名され、権力者達の悪事を暴く。

 本作は、悪事のスケールが、非常に大きく、更に、「獣」達と、武蔵三郎の関係が、前作以上に深くなっている。

 本作の「獣」達の人質の中には、前作の「P2 計画」の主導者であった、北見茂がいた。

 実は、北見は、『大病院占拠』で、逮捕されたが、保釈中に逃走し、整形して、壬生正雄を名乗っていた。

 「獣」達は、「かながわ新空港」設立の真の目的と、それを命じた、日本の政財界を裏で操っている、都市伝説的存在、「山猫」の正体を暴くことにあったのである。

 物語終盤に、三郎は、兄の健一の死の真相、姉の二葉の裏の顔、高橋メアリージュンの演じる、「獣」達のリーダーの駿河悠月の驚愕の正体を知る。

 最後は、「獣」達の裏切者、ジェシーの演じる、「ケダモノ」の新見大河の暴走を止める。

 兄の健一、姉の二葉の存在は、後付であるが、前作との繋がりが、非常に深く、ラスト一分に更なる、伏線が張られたため、続編が、楽しみである。