◆第013位 『コタツがない家』

 評価:070点/脚本:渡邉真子/日テレ/水曜22時/出演:小池栄子・吉岡秀隆・小林薫/全10話/平均視聴率:6.1%

 

 有名なウェディングプランナーの女性が、十年以上、全く、漫画を書いていない、漫画家の夫、自分探し中の高校三年生の息子、投資詐欺によって、財産を失った、元エリート商社マンの父を、キャリアウーマン、妻、母、娘の三つの役割に奮闘する、家族ドラマ。

 主人公の深堀万里江を演じるのは、ゴールデンタイムのドラマ、初主演の小池栄子。

 結婚式場、「フェリシュラン」の創業社長。

 「彼女に頼めば離婚しない」と噂される、ウェディングプランナーで、ブライダル業界のカリスマ的存在。

 若い頃より、仕事に恋に全力投球し、雑誌にインタビューが、掲載される等、華やかな人生の様に見えるが、家庭内では、3人のダメ男に手を焼いている。

 万里江の夫、深堀悠作を演じるのは、吉岡秀隆。

 十年以上、漫画を書いていない、廃業寸前の売れない漫画家。

 仕事のみならず、家事をせずに、昼間から、酒を飲み、ゲームをするばかりで、自堕落な生活を送っている。

 無収入であるが、大口叩き、毎回、家族で、喧嘩をしている。

 万里江と悠作の息子、高校三年生の深堀順基を演じるのは、作間龍斗。

 アイドルを夢見たが、オーディションで、落選して、進路に迷う。

 大学の推薦の面接試験にて、志望動機を聞かれると、「親の敷いたレールを目隠しで、歩いてきたら、ここに辿り着きました」と言い、推薦を取り消される。

 正直、筆者は、このセリフを聞いて、大爆笑してしまった。

 万里江の父、山上達男を演じるのは、小林薫。熟年離婚により、一人になり、投資詐欺によって、財産を失ってしまい、万里江の家に引き取られる。

 慶大卒の元エリート商社マンで、昔は、家庭を顧みない、仕事人間であったが、実は、料理が好きで、家族の食事作りを率先して、行っている。

 非常に頑固な性格で、プライドが高く、無職状態の悠作に対して、当たりが強い。

 万里江の母、貝田清美を演じるのは、高橋惠子。

 達男と熟年離婚し、独身生活を謳歌している。

 達男は、退職後、友人の住む、小田原に住んでいたが、清美と離婚し、更に、友人が、死去して、一人になった。

 更に、投資詐欺に遭い、鬼川温泉に行って、死のうと考えていた。

 第一話において、栃木県の山中の吊り橋にいるところを警察に発見され、万里江が、引き取った。

 悠作の担当編集者、土門幸平を演じるのは、北村一輝。

 悠作と万里江を引き合わせた張本人。

 十年以上、漫画を書いていない、悠作を見捨てずに、第一話では、悠作に、万里江との離婚話を漫画に書くように勧める。物

 語終盤、達男が、悠作に万里江と離婚するように勧めたため、悠作は、遂に、離婚を決意し、離婚話の漫画、「コタツのない家」を書き始める。

 万里江は、離婚に反対するが、何故、自分が、離婚をしないのかを悩む。

 最終的に、離婚は、無くなったため、悠作は、漫画を書くことを辞める。

 しかし、達男が、自宅用のサウナを家に設置し、悠作が、「家に、コタツがないのにサウナがある」と爆笑し、漫画を完結させ、出版する。

 本作は、喧嘩の絶えない、家族であるが、最終的には、常に、和解しており、台詞が、面白い。

 基本的にコメディとして、描かれているが、女性の仕事、家事、結婚、離婚、老後の生活、若者の将来の夢等、現代の問題が、詰め込まれている、社会派ドラマと言える。