◆第011位 『パリピ孔明』

 評価:080点/脚本:根本ノンジ/フジ/水曜22時/出演:向井理・上白石萌歌/全10話/平均視聴率:4.5%

 

 2019年以降、「コミックDAYS」及び、「週刊ヤングマガジン」誌上にて、連載中の四葉タト原作、小川亮漫画の実写ドラマ化。

 なお、本作は、2022年に全12話にて、アニメ化されている。

 本作は、『三国志』に登場する、天才軍師、諸葛孔明が、五丈原の戦いにて、死去した後、現代の渋谷に生まれ変わり、シンガーソングライターを目指す少女の夢を叶えるため、知略を尽くす物語。

 本作の主人公、諸葛孔明を演じるのは、向井理。

 史実通り、紀元234年に、五丈原の戦いにて、病没する。

 しかし、諸葛孔明が、目覚めると、若き日の姿に戻っており、現代の日本の東京渋谷に転生した。記

 憶は、五丈原の戦いの続きであるが、「天才」であるため、即座に日本語の読み書きを覚えると同時に、スマホ等を使いこなし、現代日本社会に順応する。

 諸葛孔明の主君、劉備玄徳を演じるのは、ディーンフジオカ。

 本作の劉備は、孔明の記憶の中に登場するのみであるが、中国語で、ナレーションを行っている。

 孔明が、夢を見る時に、劉備が、孔明の許を三度、訪れた、有名な「三顧の礼」の場面であるが、劉備の顔を見ることができない。

 本作のヒロイン、月見英子を演じるのは、上白石萌歌。

 音楽の祭典「サマーソニア」への出場を目指す、シンガーソングライターを夢見る女性。

 渋谷のクラブ、「BBラウンジ」にて、バイトしており、ステージで、歌うことがある。

 諸葛孔明は、ハロウィーンの日に、現代の渋谷に転生し、酔っ払いに「BBラウンジ」に連れて行かれ、英子の歌声に魅了される。

 「BBラウンジ」のオーナー、小林を演じるのは、森山未來。

 過去には、ギタリストであり、バンドを組んでいたが、ある事件を契機に、ギターを辞めてしまう。

 前オーナーの死後、「BBラウンジ」を引き継いだ。

 月見英子は、京都育ちであったが、母親と上手くいかず、家出をして、東京に来るが、自殺しようとしたところを、小林に助けられ、「BBラウンジ」にて、雇っている。

 「BBラウンジ」の前オーナーが、『三国志』オタクであったため、小林は、横山光輝の『三国志』を全巻、読んでおり、『三国志』オタクになった。

 そのため、事実上、諸葛孔明の策略を、視聴者に解説する、役割を担っている。

 諸葛孔明は、英子を「サマーソニア」へ出場させるために、数々の知略を尽くすが、小林が、「〇〇の計略だな」と解説している。

 前園ケイジを演じるのは、EXIEの関口メンディー。

 大手広告代理店の「電報者」の社長の息子。

 作詞作曲、歌手、ダンスを兼ねる、スーパーアーティスト。

 しかし、実は、バンドのイーストサウスにゴーストライターをさせており、作詞作曲は、自身では、行っていない。

 過去に、小林にダメ出しされたため、小林を恨んでおり、英子を潰そうとする。

 父の力と、金に物を言わせて、英子を妨害しようとするが、孔明の知略の前に敗北を重ねる。

 「サマーソニア」にて、英子の仲間のラッパー、KABEにゴーストライターの件を暴露される。

 本作は、正直、最近の若い人は、『三国志』を知らないと思い、楽しめないと思ったが、英子が、歌手を目指す、音楽ドラマとして、十分に楽しめる。

 同時に、『三国志』と諸葛孔明に詳しい人ほど、更に、楽しめる、歴史オタクとしては、意外に面白い、ドラマであった。