◆第003位 『下剋上球児』

 評価:080点/脚本:奥寺佐渡子/TBS/日曜21時/出演:鈴木亮平・黒木華/全10話/平均視聴率:9.6%

 

 10年連続県大会初戦敗退の弱小校の三重県立白山高校が、2018年の夏の県大会に優勝し、甲子園に初出場するまでの軌跡を描いた、ノンフィクション作品、『下剋上球児』の実写ドラマ化。

 なお、本作は、原案の『下剋上野球』を大幅に改変して、登場する、人物、学校名、団体名及び、あらすじは、全て、フィクションであるが、弱小校の甲子園出場は、事実である。

 本作の主人公、三重県立越山高校野球部監督南雲脩司を演じるのは、鈴木亮平。

 廃部寸前の弱小野球部の監督として、下剋上を目指すことになる。

 高校時代に野球を始め、スポーツ推薦で、大学に進学したが、怪我を機に大学を中退し、スポーツトレーナーとして働いていた。

 しかし、教師になる、夢を捨てきれず、32歳で、慶政大学へと再入学する。

 教員試験に合格し、2013年、36歳の年に、三重県の教員として、内定を受ける。

 しかし、脩司は、卒業直前に、必要な単位を取得出来ておらず、教員免許を偽造し、2016年までの三年間、教師をしていた。

 脩司は、2016年に、野球部の顧問兼監督に就任したが、良心の呵責に耐えきれず、退職して、公文書偽造で、警察に自首する。

 教員時代の脩司は、生徒のみならず、地域の人達に愛される、素晴らしい、先生であったため、野球部員を始め、2千人の嘆願書により、約1年の自宅待機の後、不起訴処分となる。

 その後、非教員として越山高校野球部監督に復帰する。

 越山高校の教員、野球部部長の山住香南子を演じるのは、黒木華。

 「野球バカ」と揶揄される、野球好き。

 前任は、強豪校の私立横浜青隆高校の教員で、野球部に関わっていた。犬塚樹生に誘われ、2016年に三重の越山高校に赴任する。

 静岡一高野球部時代の脩司を知っていたため、強引に脩司を野球部監督にするが、結果的に教員免許を偽造した、脩司を追い詰めてしまった。

 脩司の妻、南雲美香を演じるのは、井川遥。

 都内のアート系の企業に勤務していたが、離婚し、一人息子の青空と暮らしていた時に大学に再入学した、南雲に出会い、一目惚れした。

 交際中に母親が倒れ、地元の三重に戻ることを契機に南雲と再婚すると、長女のなぎさを授かった。

 越山高校の元教員、横田宗典を演じるのは、生瀬勝久。

 野球部の監督兼顧問であったが、2016年に定年を迎えたため、南雲の就任を契機に監督に専念する。

 越山高校の校長、丹羽慎吾を演じるのは、小泉孝太郎。

 元名古屋の塾講師で、民間校長。脩司の教員免許偽装を知らずに、脩司に告白された際には、一緒に警察に赴いた。

 2018年に再度、脩司を野球部監督にする。

 地元の名家で、先祖代々の大地主、犬塚樹生を演じるのは、小日向文世。

 初孫の犬塚翔が、野球推薦で、強豪校の星葉高校に入学の予定であったが、学力が足りずに、入学できなかった。

 そのため、翔が、入学した、越山高校を応援し、自分の土地に野球部のためのグラウンドを作る。

 越山高校の野球部は、2016年の時点では、毎日、練習しているのは、三年生の日置誠のみで、12年連続、県大会初戦敗退であった。

 2016年に入部した、犬塚翔、根室知寛、椿木谷真凛等を中心に、2017年に遂に県大会で、一勝する。

 そして、2018年には、甲子園出場という、「下剋上」を果たす。

 選手は、無名の俳優が多いが、スポーツドラマとして、感動できた。