◆第015位 『こっち向いてよ向井くん』
評価:070点/脚本:渡邉真子/日テレ/水曜22時/出演:赤楚衛二・波瑠・生田絵梨花/全10話/平均視聴率:5.0%
「FEEL YOUNG」誌上にて、2020年より、連載中のねむゆうこの同名原作漫画の実写ドラマ化。
本作は、恋愛ドラマであるが、メインキャスト間の恋愛を描くのではなく、複数の女性との出会いと別れを繰り返す、即ち、恋愛対象が、ゲスト出演的扱いの珍しい、ドラマである。
本作の主人公、向井悟を演じるのは、赤楚衛二。
三十三歳のサラリーマンで、彼女いない歴、十年である。
広島に転勤していたため、東京に戻った後、しばらく、実家暮らしをしようと思ったが、そのまま、実家に居ついてしまった。
十年前に別れた、大学時代以来の恋人を忘れられない。
向井の恋愛の相談相手、坂井戸洸稀を演じるのは、波瑠。
全体を通しての事実上のヒロインと言えるが、波瑠は、トメの扱いになっている。
洸稀は、恋愛に関して、達観しており、向井の良き、相談相手であるが、自身は、恋愛のオイシイとこどり、即ち、深入りすることを避ける。
悟の妹の麻美の夫、武田元気を演じるのは、岡山天音。
麻美と一緒に向井家に同居している。プロの料理人で、スパイス&バー「パイレオ」の店主。
坂井戸は、「バイオレ」の常連客であるため、向井とは、店で知り合った。
元気は、悟、悟の母の公子と非常に仲が良い。
向井悟の妹、武田麻美を演じるのは、藤原さくら。
無口で、不愛想であるが、元気との夫婦仲は、非常に良かった。
しかし、麻美は、結婚に伴い、名字を変更して、元気が、「夫」としての「役割」を果たそうとすることに違和感を覚え、結婚制度という、ノイズに負けてしまう。
坂井戸の恋人、環田和哉を演じるのは、市原隼人。
バツイチのため、結婚をする気はないが、坂井戸と大人の関係を築いている。
物語後半、実は、向井の親友社員時代の尊敬する先輩で、結婚のために会社を辞め、福岡に移住したことが、発覚する。
第一話の向井の恋愛相手、中谷真由を演じるのは、田辺桃子。
向井の会社である、「Tee Kit」の派遣社員。
向井は、中谷が、自分のことを好きだと勘違いし、舞い上がっていたが、実は、後輩の河西翔太のことが、好きであったため、逆に二人の邪魔をしていたことに気付く。
第二話の向井の恋愛相手、羽鳥アンを演じるのは、久間田琳加。
「バイオレ」のアルバイトで、向井の十歳年下。
向井に突然、キスするなど、積極的にアプローチをするが、誠実を理由にして、向井が、奥手な態度を取ったため、向井は、自分を好きではないと思い、別の男と付き合う。
第三・四話の向井の恋愛相手、原チカを演じるのは、藤間爽子。
向井とは、三年前に知り合い、大人の関係になったが、付き合っていなかった。
婚活疲れをしたため、過去に大人の関係のある、向井と付き合うことにするが、結婚自体を目的とし、恋愛を楽しめないため、向井と別れる。
第五話において、向井と再会する、十年前の元カノ、藤堂美和子を演じるのは、生田絵梨花。
少し前に元カレと別れたため、向井と恋愛と同様の状態になるが、付き合っているつもりはない。
最終的に、向井は、坂井戸を好きになり、告白するが、明確な返事のないまま、物語は終わる。
本作のメインキャストの女性、坂井戸、麻美、美和子は、結婚制度に疑問を持っている。
逆に、男性の向井が、結婚を意識する、結婚制度について、考えさせられる、ドラマであった。