◆第011位 『シッコウ!!~犬と私と執行官~』

 評価:075/脚本:大森美香/テレ朝/火曜21時/出演:伊藤沙莉・織田裕二・中島健人/全9話/平均視聴率:8.0%

 

 強制執行によって、財産、金品、不動産などを差し押さえ、没収する、「執行官」の仕事を描く、リーガルドラマ。

 執行官は、裁判の結果が、出ているのに関わらず、裁判所の命令に従わない、債務者に対して、強制執行する、司法機関のことである。

 筆者は、本作を見て、初めて、「執行官」の名前を聞いたため、非常に勉強になった。

 執行官は、国家公務員であるが、独立採算制のために、報酬は、債権回収した、金額によって、決定する。

 行政、司法、金融等の実務経験、十年以上を必要とし、狭き門である。

 本作の主人公、吉野ひかりを演じるのは、伊藤沙莉。

 元信用組合の職員であったが、犬好きで、犬に関わる、仕事をしたいため、信用組合を退職した。

 第一話において、執行官の小原に出会い、執行補助者になる。

 主な役割は、執行の際に債務者の犬の相手をすることである。

 幼い頃、父が、浮気で、家を出て、母子家庭に育ち、犬のボブを飼っていた。

 執行官の小原樹を演じるのは、織田裕二。

 伊藤沙莉とのW主演ではなく、遂にトメになっている。

 執行官にとって、強制執行の際に、債務者の犬が、執行の妨げになることが多い。

 犬に好かれる、ひかりを執行補助者として、犬の相手をしてもらうことになる。

 執行官室の事務員、栗橋祐介を演じるのは、Sexy Zoneの中島健人。

 元は、銀行員であったが、退職して、司法試験の合格を目指している。

 既に、三度、司法試験に落ちている、司法浪人である。

 非常に優秀な、若い事務員で、オジサンだけの執行官達をサポートしている。

 執行補助者の長窪桂十郎を演じるのは、笠松将。

 普段、運送会社に勤務し、運搬を担当する。

 オジサンだらけの執行官にとって、マッチョな長窪は、頼れる存在である。

 執行補助者の砥沢譲吉を演じるのは、六角精児。強制執行の際、道具を使って、建物の鍵を開けてしまうが、合法である。

 普通の鍵のみならず、マンションの入り口のロックさえ、開けてしまう。

 保護動物カフェの由比千尋を演じるのは、ファーストサマーウイカ。

 飼い主のいない、犬、猫を引き取り、新しい、飼い主を探す、「わんわんステーション」の店長である。

 ひかりは、犬の世話が、上手なため、千尋に雇われているが、利益が、少ないため、給料は、低い。

 ペットスパサロン & ホテル、ワン!ダフルヘブンの社長、上野原美鶴を演じるのは、板谷由夏。

 第一話にて、ひかりを雇うが、ペットの世話ではなく、事務仕事をさせる。

 会社の経営が、破綻し、小原によって、強制執行が行われるが、新たな事業を立ち上げる。

 本作は、当初、ひかりの視点で、描かれており、家賃の払えない住人を、無理矢理、退去させる、執行官を、血も涙もないと考えていた。

 しかし、執行補助の仕事をする内に、小原が、執行の際に心を痛めていると同時に、債務者に新たな人生を送って欲しいとの思いを知る。

 日本は、法治国家であるために、裁判の結果に従わなければ、法律の意味がない。

 ひかりは、法律の重要性を知り、勉強すると、第八話では、詐欺により、借金を背負った、女子大生を救う。

 本作は、基本的に一話完結型のため、続編に期待したい。