◆第009位 『何曜日に生まれたの』

 評価:080点/脚本:野島伸司/テレ朝/日曜22時/出演:飯豊まりえ・溝端淳平・陣内孝則/全9話

 

 1980代後半のトレンディードラマの黎明期から、2000年代に掛けて、数々の名作を生み出した、野島伸司の五年ぶりの脚本による、オリジナルドラマ。

 人気ライトノベル作家が、売れない漫画家とコラボして、漫画家の引き籠りの娘をモデルに物語を描く、ジャンル不明のドラマ。

 本作の主人公、黒目すいを演じるのは、飯豊まりえ。

 引き籠り歴、10年の27歳の女性である。

 高校時代は、サッカー部のマネージャーであったが、サッカー部のエースMFのバイク事故を契機に学校を辞め、引っ越しして、引き籠りになる。

 本作の中盤までは、10年前のバイク事故の真相、そして、10年ぶりに再会した、高校時代の友人達との再会が、テーマになっている。

 超売れっ子のライトノベル作家、公文龍炎を演じるのは、溝端淳平。

 顔出しは、NGで、本名は、三島公平。

 漫画家の黒目丈治とコラボすることを条件に、すいの社会復帰を物語にしようとする。

 人間観察眼が、非常に鋭く、10年前のバイク事故の真相を暴く。

 すいの父で、漫画家の黒目丈治を演じるのは、陣内孝則。

 すいの母の妻に浮気され、離婚した。

 漫画家を続けているが、ヒット作が出ない。

 10年前に引き籠りになった、娘のすいを支えていた。

 公文竜炎の原作を漫画家することを条件に、すいの社会復帰をモデルとすることを受け入れる。

 すいの高校、谷津東高校サッカー部のエースストライカー、江田悠馬を演じるのは、井上祐貴。

 10年前の高校時代、すいのことが、好きだった。バイク事故によって、エースMFの雨宮純平が、大会に出られず、ボロ負けすると、嫉妬を含め、すいを責め、引き籠りの原因を作る。

 谷津東高校サッカー部のエースMF、雨宮純平を演じるのは、YU。

 全日本に選抜されるほどのサッカー選手であったが、大会の直前、すいとバイクで、海に行き、事故を起こす。

 その後遺症で、サッカーができなくなった。

 現在は、親が、社長の老舗化粧品会社、ソバエ化粧品の専務。

 高校時代、すいと同様、サッカー部のマネージャーであった、江田瑞貴を演じるのは、若月祐美。

 すいの大親友であったが、バイク事故の後、すいに「消えて」と言い、引き籠りの契機を作っている。

 二年前に悠馬と結婚し、現在は、アパレル店の店長で、自分の店を持つことが、夢である。

 高校時代、すいのマネージャー仲間の橋爪リリ子を演じるのは、片山友希。

 自他共に認める、雨宮のストーカー。

 無口で、何を考えているのか、わからない。

 ストーカーであるため、誰よりも、雨宮のことを理解しているため、現在は、雨宮の秘書を務めている。

出版社の編集長、来栖久美を演じるのは、シシド・カフカ。シングルマザーで、一人息子がいる。

 公文と丈治のコラボを提案する、超毒舌編集者。久美の妹、来栖芽衣を演じるのは、早見あかり。

 カメラマンで、公文と同居しているが、男女の関係ではない。

 本作は、公文が、すいを高校時代の同級生に会わせ、10年前のバイク事故の真相を暴いて、原作を書く。

 物語終盤は、公文の秘密、代表作のヒロイン、アガサの謎が、明かされる。

 すいは、社会復帰を果たし、芽衣の写真で、モデルになる。

 そして、すいは、公文とアガサを救おうとする。

 本作は、サスペンスではないが、様々な真相が、明かされる、面白い、ドラマであった。