◆第008位 『転職の魔王様』

 評価:080点/脚本:泉澤陽子/フジ/月曜22時/出演:成田凌・小芝風花・石田ゆり子/全11話/平均視聴率:5.0%

 

 額賀澪の同名原作小説の実写ドラマ化。

 転職エージェントの凄腕のキャリア・アドバイザーが、求職者に冷徹な対応をするため、「転職の魔王様」と呼ばれているが、結果的に、求職者の最善の方向性を見出す、社会派ドラマ。

 なお、筆者は、2000年代の後半に、転職エージェントとして、キャリア・アドバイザーの経験があるため、感慨深く、本作を見ていた。

 本作の主人公、「転職の魔王様」、来栖嵐を演じるのは、成田凌。

 「シェパードキャリア」の凄腕、キャリア・アドバイザー。

 求職者に対し、無表情で接し、求職者自身が、気付いていなかったことを、冷徹に指摘する。

 しかし、その結果、求職者は、最善の選択をすることができるようになる。

 元エリート商社マンで、アフリカにて、持続可能なエネルギーの開発を行い、アフリカを豊かにし、世界にエネルギーを供給する、夢を抱いていた。

 しかし、三年前、交通事故に遭ったため、左足が、不自由になり、杖を突くようになる。

 その結果、アフリカのプロジェクトから、外されて、夢を諦めて、退職する。

 転職のため、「シェパードキャリア」を訪れた際、社長の洋子にスカウトされる。

 本作のヒロイン、末谷千晴を演じるのは、小芝風花。

 本作は、基本的に千晴の目線で語られる。

 業界大手の広告代理店に就職したが、パワハラによって、退職を余儀なくされる。

 叔母の洋子が、シェパートキャリアの社長であり、転職活動を始め、来栖と出会う。

 自分の夢を持っておらず、自分に自信がないために、自分を必要としてくれる、職場であれば、どの会社でも頑張ると考えている。

 来栖に味覚障害を見抜かれ、自分の決断ができないために、人の意見を優先する、操り人形のようだと言われ、自分の価値は、自分で決めるように促される。

 転職活動を休むことを決め、その間、シェパードキャリアの見習いとして、働くことになる。

 転職エージェント、「シェパードキャリア」の創業社長で、千晴の叔母、落合洋子を演じるのは、石田ゆり子。

 旅行代理店に勤務していたが、当時、交際していた、教師の君雄が、引き籠りになり、君緒の社会復帰の足がかりにするため、シェパードキャリアを起業した。

 姪の千春の理解者で、同時に来栖を高く、評価しているため、来栖を千晴のアシスタントにした。

 キャリア・アドバイザーの広沢絵里香を演じるのは、山口紗弥加。

 結婚しており、子供がいる。

 元大手転職エージェントに勤務していた。

 共働きで、保育児がいるため、時間外勤務が、難しいが、シェパードキャリアは、女性に働き易い環境になっている。

 営業スタッフの横山潤也を演じるのは、前田公輝。

 シェパードキャリアへの求人を一人で、獲得しているようである。

 大手転職エージェントのキャリア・アドバイザー、天間聖司を演じるのは、白洲迅。

 求職者からの絶大な信頼を受け、「転職の天子様」と呼ばれている。

 自分が、職場見学をした上で、求職者に転職先を紹介する。

 第八話で、シェパードキャリアに転職する。

 千晴は、当初は、シェパードキャリアの見習いであったが、試用期間の終了後、自分で決断し、キャリア・アドバイザーになることを決める。

 本作は、来栖の名言が多く、「転職」を通じて、自分の生き方を考えさせられる、新しい、お仕事ドラマであった。