◆第003位 『ハヤブサ消防団』

 評価:085/脚本:香坂隆史/テレ朝/木曜21時/出演:中村倫也・川口春奈/全X話/平均視聴率:9.3%

 

 池井戸潤の同名原作小説の実写化。

 池井戸潤の小説のドラマは、『半沢直樹』『下町ロケット』『陸王』『ノーサイド・ゲーム』等、TBSの日曜劇場で、放送された、ビジネスマンの物語が多いが、本作は、田舎を舞台とする、連続放火事件等を扱った、サスペンスドラマである。

 本作の主人公、三馬太郎を演じるのは、中村倫也。

 小説家であるが、スランプ状態になった。

 亡父の実家を相続したが、不動産会社から、売却を求める、連絡が来る。

 三馬太郎は、父の実家の山間の「ハヤブサ」地区に行くと、景色に惹かれて、移住を決意する。

 なお、ハヤブサ地区は、八百万町の一地区とされるが、「県」については、明示されていない。

 本作のヒロイン、立木彩を演じるのは、川口春奈。三馬太郎と同様に、東京からの移住である。

 二年前に、移住した、映像ディレクターで、ハヤブサ地区の町起こしのために、ドラマ制作を役場と共に企画し、その脚本を太郎に以来することで、親密な関係になる。

 「ハヤブサ消防団」の一員、藤本勘介を演じるのは、満島真之介。

 太郎の同年齢で、幼い頃に、父の実家に遊びに来た、太郎と遊んだことがあるが、太郎は、覚えていなかった。

 勘助は、太郎をハヤブサ地区の消防団である、「ハヤブサ消防団」への入隊を勧誘する。

 ハヤブサ消防団の分団長、宮原郁夫を演じるのは、橋本じゅん。

 養鶏場の「宮原養鶏」を営む。ハヤブサ消防団の部長、山原賢作を演じるのは、生瀬勝久。

 林業メーカー、「山原林業」の社長。

 宮原と山原は、高校時代に、親友であったが、宮原と山原が、「ハヤブサの山口百恵」と呼ばれた、桃子を好きになり、宮原が、桃子と結婚したため、犬猿の仲になる。

 ハヤブサ消防団の副分団長、森野洋輔を演じるのは、梶原善。

 八百万町の町役場の土木課に勤務している。

 ハヤブサ消防団の班長、徳田省吾を演じるのは、岡部たかし。

 呉服店、「一徳堂」の二代目店主。

 骨董品を紹介する、動画配信者である。

 東京の出版社、「草英社」の編集者、中山田洋を演じるのは、山本耕史。

 「小説れもん」の太郎の編集担当である。

 愛想が良いため、ハヤブサ地区の太郎の許に訪れると、ハヤブサ消防団の団員達と仲良くなる。

 様々な謎を解こうとする、太郎に協力する。

 太陽光発電を手掛ける、「ルミナスソーラー」の営業スタッフ、真鍋明光を演じるのは、古川雄大。

 ハヤブサ地区の人々に溶け込み、ソーラーパネルの設置のために、土地を買収している。

 本作は、太郎の移住前から、「ハヤブサ地区」において、連続放火事件が、発生していた。

 太郎は、真鍋が、ソーラーパネルの設置の土地買収のため、連続放火事件を起こしていると考えていた。

 本作は、当初、連続放火犯を見つける、サスペンスであると思われていた。

 しかし、物語終盤、連続放火事件の裏に隠された、驚愕の真実が、明らかになる。

 立木彩は、拷問によって、十二人の死者を出した、信仰宗教、「アビゲイル騎士団」の一員であり、既に、伏線は、張られていた。

 最終二話は、ハヤブサ地区に「理想郷」を作ろうとする、「聖母アビゲイル教団」との戦いである。

 本作を見て、池井戸潤が、ビジネスのみならず、一流のサスペンス作家であると思い知らされた。